仕事柄、多くの経営者や仕事人の発言・映像を見てきました。
その中でも、とくに印象に残った言葉を紹介したいと思います。
今回は、JR九州の社長などを歴任した唐池恒二さんです。
面と向かって誠実さを示せば、「うーん、そうか」とどんな人にも理解してもらえます。これは、一〇〇パーセントといっても過言ではありません。
ものすごく怒っている人がいて、それでも会いに行く。それはお客さまでも上司でも同じです。
直接会って話をしたときは、あとを引いたことがありません。問題が大きくなったこともありません。すべて解決しました。
会いたくない人に直接会い、こちらの想いを伝えるということは、人間関係における一つの王道だといえます。
要するに「気持ちでぶつかる」ということです。
伝えるということとはだいぶ違うのかもしれませんが、私が高速船ビートルの仕事をしていたときに、船長から学んだことがあります。
「唐池さん、船が嵐で高波、荒波に出くわすときがありますよね。そのときに、どういう舵取りをすると思いますか?」と言うわけです。
「どうするんですか」と尋ねると、「どんな船でも高波、荒波が来たら、正面から向かっていくんです」と。
横に逃げようとしたら、いっぺんに転覆してしまう。後ろに逃げようとしても波が寄せてくる。追い波といって、船の後ろから波がくるので、これも転覆する。
だから、まっすぐに進む。荒波に向かって真正面から進む。正面に舵を向ければ船は転覆しないというのです。
会いたくない人に会って伝えなければならないときも、正面からぶつかれば解決するということです。私はどんなときもそのことを思い出して、会いたくない人に、会いたくないときにこそ、会うようにしています。まさに荒波に向かってぶつかっていくのです。
唐池恒二『やる! 唐池恒二の夢みる力が「気」をつくる』かんき出版、2014年、pp.114-115
誰しも、嫌なこと、面倒なことからは逃げたくなるものでしょう。
しかし、問題を放置すれば、事態はさらに悪化するかもしれません。
困難にチャレンジしなければ、自分の成長もありません。
私は引っ込み思案で、セミナーの講師などを頼まれると、逃げ出したくなります。
失敗やリスクを避けたいという気持ちがあるのだと思います。
「失言したらどうしよう」「がっかりされたらどうしよう」「恥をかいたらどうしよう」というようなことです。
しかし、せっかくいただいた機会から逃げていたら、自分の成長も、キャリアの進展もありません。
そういうときは、唐池さんの言葉を思い出して、えいやっと引き受け、正面から突っ込むしかない、と思うようにしています。
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