2022年発売の新刊です。
『日刊工業新聞』に書評が掲載されました(2022年2月7日)。
**********
はじめに
第1章 ざっくりと全体像を知る 「マーケティングの基本」
1 - 2 マーケティングは「お祭りのようなもの」? 商品開発の流れ
1 - 3 動物もマーケティングをする? マーケティングの起源
1 - 4 「カッコウ」は恐ろしい詐欺師? 逆陰影、警告色、托卵
1 - 5 ほしい商品がない 時代の変化と消費者心理
1 - 6 80点主義の「カローラ」が売れた時代 モノ不足
1 - 7 「生きるため」から「インスタ映え」へ 消費の飽和、モノ余り
1 - 8 サプライズのない商品は無意味? ヒット・メーカーたちの名言に学ぶ
1 - 9 人が犬を噛むとニュースになる 奇異効果、商品コンセプト
1 - 10 「星野リゾート」が最初にやること SWOT分析
1 - 11 全員を満足させることはできない セグメンテーションとターゲティング
1 - 12 コーヒーなら、コーヒーだけがいい コンセプトづくりのヒント
1 - 13 着せるのではなく、裸にする コンセプトづくりの実際
1 - 14 「ゼロ・サム・ゲーム」をやめて棲み分ける ポジショニング、ニッチ
1 - 15 なぜ、「QBハウス」は成功した? ブルー・オーシャン戦略
1 - 16 「ポーターの競争戦略」って、なに? コスト・リーダーシップ、差別化
1 - 17 「ノー・フリル」って、なに? コスト・集中、差別化・集中
1 - 18 「マーケティング・ミックス」って、なに? マーケティングの4P
1 - 19 「分析」と「感性」、どちらが大事? マーケティングの4C、分析のマーケティング
1 - 20 「ザクとうふ」は100%趣味だった 感性のマーケティング
Column 1 アメリカ流のマーケティングは、日本でつかえる?
第2章 お客のココロを理解する 「マーケティングの心理学」
2 - 1 「影響力の武器」って、なに? 説得の心理学
2 - 2 「よい警官」と「悪い警官」? 対比効果
2 - 3 「謎の選択肢」のねらいは? おとり効果
2 - 4 なぜ、「カルディ」はコーヒーを渡す? 返報性、ドア・イン・ザ・フェイス、フット・イン・ザ・ドア
2 - 5 「ハニー・トラップ」にご注意 コミットメントと一貫性
2 - 6 あと一歩のところで、すべてが白紙? ロー・ボール・テクニック
2 - 7 「ブラボー」と叫ぶのはサクラ? 同調、バンドワゴン効果、スノッブ効果
2 - 8 なぜ、モーター・ショーにコンパニオン? 好感、ハロー効果、連想学習
2 - 9 なぜ、選挙カーは名前を連呼する? 単純接触効果、慣れ親しみ
2 - 10 「6種類」と「24種類」のジャム、どちらが売れる? わかりやすさ、決定麻痺
2 - 11 高級車はクラクションを鳴らされない? 権威
2 - 12 「売れすぎて販売休止」は本当? 希少性、品薄商法
2 - 13 プレゼンは何番目が有利? 初頭効果、新近効果
2 - 14 安い商品と高い商品、どちらからすすめる? 交渉の手順
2 - 15 なぜ、「タウリン1000mg」? フレーミング効果
2 - 16 なぜ、「レタス○個分の食物繊維」? 文脈効果
Column 2 なぜ、「中途半端」はダメ? 少数精鋭効果、希釈効果
第3章 Product(商品) どんな商品が売れる?
1 - 1 「ドリルではなく穴」? 商品とサービス
3 - 2 「シェアリング・エコノミー」って、なに? BtoC、BtoB、CtoC
3 - 3 11,000円のトイレット・ペーパー? 消耗品・耐久品、最寄り品・買回り品
3 - 4 高いワインはおいしい? 低級品、必需品、贅沢品
3 - 5 サプリは本当に効く? 探索財、経験財、信用財
3 - 6 レモンは速い? ブーバ・キキ効果、クロス・モダリティ
3 - 7 おいしいカエルはお好き? 「客観的な実態」と「主観的なイメージ」
3 - 8 世界有数の企業ブランドは? ブランド
3 - 9 居心地のよいレストランは、どんな工夫をしている? 感覚マーケティング
3 - 10 なぜ、お刺身パックに大葉? 色彩
3 - 11 デザインを変えただけで、売上が60倍? デザイン
3 - 12 なぜ、「カレーメシ」? ネーミング(1)
3 - 13 「トマト銀行」で預金が530億円増 ネーミング(2)
3 - 14 シャッター音はつくられる? 音
3 - 15 なぜ、「コカ・コーラ」のボトルはあの形? 体性感覚
3 - 16 「コカ・コーラ」が大切にする価値 イメージによる差別化
3 - 17 「コモディティ」を差別化するには? 商品戦略の実際
Column 3 読んで面白かったマーケティングの本
第4章 Price(価格) 価格戦略のしくみ
4 - 1 「スシロー」はどうやって価格を決める? 価格設定
4 - 2 相手によって値段を変える? 価格差別
4 - 3 値下げは損か得か? 価格弾力性、価格競争
4 - 4 アイスクリームを食べるように値下げする? 価格スキミング
4 - 5 なぜ、みんな「LINE」をつかう? 市場浸透価格
4 - 6 プリンタを安くして、インクで儲ける? キャプティブ価格
4 - 7 なぜ、ドラッグ・ストアで食料品が安い? マージン・ミックス
4 - 8 なぜ、お寿司のメニューは「松」「竹」「梅」? バージョニング、極端回避
4 - 9 バラ売りとセット、どちらを買う? 単品販売とセット販売
4 - 10 「Windows」の利益率は85%? デジタル商品の費用構造
4 - 11 「規模の経済性」って、なに? 固定費と変動費
4 - 12 「サブスク」はデジタルと相性がいい? 限界費用と限界利益
4 - 13 「大盛り無料」で損をする人もいる? 「無料」のビジネス・モデル
4 - 14 「Zoom」はどうやって利益を出す? 広告モデル、フリーミアム
4 - 15 ブログを書くのは何のため? ギフト・エコノミー
4 - 16 値段が高いほど売れる? 見せびらかし消費とヴェブレン効果
Column 4 買うタイミングで値段が変わる? ダイナミック・プライシング
第5章 Place(流通・立地) どうやってお客へ届ける?
5 - 1 マーケティングの最前線はどこ? 配荷、店内立地、店舗ディスプレイ
5 - 2 「コカ・コーラ」の強さの秘密 流通・立地の重要性
5 - 3 お店のなかでも「立地」はさまざま? エンド
5 - 4 コンビニで一番よく売れる場所は? プロモーション・エンド、ゴールデン・ライン、POP 広告
5 - 5 売れる商品はますます売れる? 売れ筋、死に筋、動線
5 - 6 なぜ、「日高屋」は「マクドナルド」や「吉野家」の近く? 飲食チェーンの立地(1)
5 - 7 なぜ、「富士そば」は立地にこだわる? 飲食チェーンの立地(2)
5 - 8 あなたなら、どこに店を出す? ロードサイドの立地(1)
5 - 9 「マクドナルド」はどこに店を出す? ロードサイドの立地(2)
5 - 10 なぜ、「ヤマト運輸」は宅急便を実現できた? 密度の経済性、ドミナント戦略
5 - 11 あなたはリアル派? ネット派? ラスト・ワン・マイル、ショールーム化
Column 5 ネット・ビジネスで成功するには?
第6章 Promotion(販売促進) どうすれば売れる?
6 - 1 プロモーションって、なに? 広告・宣伝、広報・PR
6 - 2 「見た目」と「中身」、どちらが大事? プロモーションの重要性
6 - 3 どうやって、買うものを決める? AIDMA、AISAS、AISCEAS
6 - 4 「下町のナポレオン」? 比喩、類推
6 - 5 火花を散らした「JAL」と「JR東海」 対比、比較広告
6 - 6 誰が「婚約指輪は給料3カ月分」と決めた? 文化をつくるプロモーション
6 - 7 宮崎駿監督がこだわった「となりのトトロ」のコピー 広告の3点セット、広告コピー
6 - 8 自衛隊が仕掛けた『空飛ぶ広報室』 パブリシティ(1)
6 - 9 『シン・ゴジラ』の自衛隊はリアル? パブリシティ(2)
6 - 10 『魔女の宅急便』と「ヤマト運輸」の不思議な出会い タイ・アップ
6 - 11 「ドブ板選挙」が大切? 内部マーケティング
6 - 12 変化はチャンス これからのマーケティング
Column 6 人と違うことが、強みになる
おわりに
はじめに
この本を手にとってくださって、ありがとうございます。
私はかれこれ20年以上、防衛大学校で「経営学」や「マーケティング」を教えています。
防衛大で「マーケティング」というのは、意外に思われるかもしれません。そのあたりの事情は、シリーズ前作の『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』でも書きました。
防衛大では自衛隊の教育や訓練を行う一方で、一般大学と同じような大学教育も行っています。「経営学」や「マーケティング」にかかわる授業もあります。
各地の自衛隊も、マーケティング(広報)に取り組んでいます。
「メディアへの対応」はもちろん、「テレビや映画の撮影協力」「音楽まつり」「ブルーインパルスの展示飛行」「艦艇の一般公開」「富士総合火力演習の一般公開」など、多彩な活動をしています。
近年はTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeなど、ネット・メディアでの広報も行っています。
この本でも『空飛ぶ広報室』(6-8)と『シン・ゴジラ』(6-9)の広報について、のちほど紹介します。
このシリーズをつくるにあたって最初に考えたのは、マーケティングでいう「ターゲット」(1-11)や「コンセプト」(1-10)、つまり「どういう性格の本にするか」ということでした。
世の中に、ビジネス書はあふれています。ありきたりではない、この本ならではの魅力を打ち出さなければならないと思いました。マーケティング風にいえば、「コモディティ」にならないよう、「差別化」するということです(3-3)。
目指したのは、科学的な理論に裏打ちされつつも、「わかりやすい」「役に立つ」にこだわった、これまでにない本をつくるということです。
読者にとって理想的な本は、短い時間で理解できて、しかも役に立つというものでしょう。そういう、読者にとってコスト・パフォーマンス(費用対効果)のよい本にしようと思いました。
この本では「自分が若いころに知っていたら、仕事や人生にきっと役立っただろう」と思うマーケティングの知識を、できるだけわかりやすくお伝えします。
印象的なエピソードや、具体例をたくさん入れました。ややこしい理屈ではなく、感覚的にスッと理解していただければと思います。
マーケティングを学びたい社会人や、学生のみなさんを想定読者として、ふだんの授業で話すように書きました。
本の構成については、このあとの「目次」に詳しい見出しがあります。
各章のはじめでも、簡単に内容を紹介します。
それでは、しばらくのあいだ、マーケティングの話におつきあいください。
**********
2022年10月発売の最新刊!!
知的な好奇心を、かきたてる
**********
2022年発売、好評増刷中!!
すらすら読めて、よくわかる
**********
2021年発売、好評増刷中!!
思考力を鍛える、ビジネス教養