(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

リーダーたちが学ぶ「経営学」「マーケティング」「意思決定」の教科書

 

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にノミネートされました。

ライザップの瀬戸健社長が、『週刊文春』で書評をお書きくださいました(2021年10月28日号、p.121)。

増刷(4刷)になりました。

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」』

2022年発売、早くも増刷(3刷)になりました

日刊工業新聞』に書評が掲載されました(2022年2月7日)。

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』

2022年10月発売の最新刊です。

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』の内容紹介

 

はじめに


第1章  経営学の基本的な考え方を学ぶ  「費用対効果」

1-1 経営って、なに?  マネジメントとリーダー
1-2 リーダーって、なに?  リーダーシップと意思決定
1-3 インセンティブって、何?  インセンティブとモチベーション
1-4 意思決定って、なに?  選択とトレード・オフ
1-5 費用対効果って、なに?  効率、生産性、経済性
1-6 経営の効率をどう測る?  費用対効果の実際
1-7 高いほど売れる「シーマ現象」  見せびらかし消費とヴェブレン効果
1-8 オスはメスより熱心?  繁殖戦略と費用対効果
1-9 動物にもヒエラルキーがある?  地位と権力闘争
1-10 なぜヒトは一夫一妻か?  費用対効果と配偶システム
1-11 仕事のデキる人が考えていること  選択と費用対効果
1-12 タクシー代をケチるような仕事をしちゃダメ?  費用だけを考える誤り、効果だけを考える誤り
1-13 ガンバリズムの体育会系?  クラッシャー上司
1-14 費用も効果も考えない?  お役所仕事
Column1 逃げるチャンスの問題?  状況による戦略の違い


第2章  賢く考え、正しく判断する心理学  「意思決定」
2-1 なぜ、コルテスは自軍の船を燃やした?  セルフ・コントロールとコミットメント
2-2 安ければ遠くても買いに行く?  意思決定と機会費用
2-3 紛失したチケットを買い直す?  心の会計
2-4 他人に迷惑をかける?  外部効果、市場の失敗、政府の失敗
2-5 なぜ、ダイエーは衰退した?  組織の惰性と現状維持バイアス
2-6 苦痛は喜びの2倍?  損失回避
2-7 賭けに出るのはどんなとき?  リスク回避とリスク追求
2-8 「会社の利益」と「自分の利益」、どっちが大事?  インセンティブと意思決定
2-9 最後の晩餐はどこで?  活用と探索、イノベーション
2-10 食べ放題で元をとる?  埋没費用とコンコルド効果
2-11 飛行機に乗るのは怖い?  想起容易性バイアス
Column2 ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスでトルネードが起こる?  複雑系バタフライ効果


第3章  価格のしくみを理解して、売上と利益を増やす  「価格戦略
3-1 人を見て値段を変える?  価格差別、支払意思額、固定費と変動費
3-2 高級ホテルでも原価は1000円以下?  限界費用
3-3 23円の値下げで売上が30倍?  価格弾力性、衝動買い
3-4 子ども料金や学割でお店が儲かる?  価格弾力性による価格差別
3-5 なぜ、文庫本は時間差で発売される?  価格スキミング
3-6 なぜ、みんなZoomをつかう?  ネットワーク効果先行者優位、勢力拡大価格
3-7 なぜ、プリンタは安すぎる?  キャプティブ価格
3-8 なぜ、ハンバーガーを100円で売って儲かる?  マージン・ミックス
3-9 割引クーポンの真の狙いは?  バージョン分けと極端回避
Column3 リアルでチェックして、ネットで買う?  ショールーム


第4章  相乗効果を生み、コストを下げる  「多角化戦略」と「経済性」
4-1 なぜ、吉野家はメニューを増やした?  リスク分散と経営多角化
4-2 なぜ、鉄道会社は商業施設を経営する?  多角化戦略選択と集中
4-3 なぜキユーピーは野菜に参入した?  事業の相乗効果
4-4 銀のさら」と「釜寅」は同じお店?  シナジー、範囲の経済性
4-5 なぜ、「俺のフレンチ」はこんなに安い?  回転率と損益分岐点
4-6 なぜ、セブン‐イレブンは急に増える?  規模の経済性、速度の経済性、密度の経済性
4-7 なぜ、先輩には余裕がある?  経験効果
Column4 わざと座り心地の悪いイスをつかう?  回転率をめぐる戦略


第5章  ライバルとの戦いを勝ち抜く  「競争戦略」
5-1 星野社長のキャリアを変えた経営理論  ポーターの競争戦略
5-2 なぜ、マクドナルドはハンバーガーを59円で売れた?  コスト・リーダーシップ戦略
5-3 なぜ、iPhoneは高くても売れる?  差別化戦略(1)
5-4 なぜ、モスバーガーマクドナルドの3倍の値段で売れた?  差別化戦略(2)
5-5 なぜ、カーブスには鏡がない?  コスト・集中戦略とノー・フリル(1)
5-6 なぜ、格安航空は中古の飛行機をつかわない?  コスト・集中戦略とノー・フリル(2)
5-7 なぜ、クラフト・ビールは高価格で売れる?  差別化・集中戦略、競争戦略の実例
5-8 なぜ、ルイ・ヴィトンはセールをやらない?  価格競争
5-9 コカ・コーラはレシピの秘密をどう守っている?  資源ベース理論
5-10 競争しない競争戦略?  ニッチ戦略、ブルー・オーシャン戦略、「協争」
5-11 世界での日本企業の地位は?  世界のトップ企業ランキング
5-12 なぜ、日本の企業は姿を消した?  身近な商品の世界シェア
Column5 ラモスさんが指摘する日本サッカーの弱点  SWOT分析


第6章  みんなで協力して目的を実現する  「組織」
6-1 協力するか、裏切るか  囚人のジレンマ
6-2 よそ者には冷たい?  血縁者びいきと内集団バイアス
6-3 自分は嫌だけど、他人にはやってほしい  社会的ジレンマ共有地の悲劇、自己成就する予言
6-4 他人の損は自分の得?  合成の誤謬
6-5 相手のマネをするのが最強?  協力の進化と因果応報戦略
6-6 情けは人のためならず?  互恵的利他主義
6-7 群れるのには理由がある?  組織の起源と存在理由
Column6 組織って、なに?  組織の3要素


第7章  やる気と個性を活かして、強いチームをつくる  「モチベーション」と「リーダーシップ」
7-1 趣味なら平気で徹夜できる?  内発的モチベーション、心理的反発
7-2 やる気が出ないのは、なぜ?  期待理論、達成欲求、親和欲求、権力欲求
7-3 どうしたらやる気が出る?  作業興奮
7-4 仕事の心理は男女で違う?  インポスター症候群、成功への恐怖、女王蜂症候群
7-5 モチベーションは高すぎてもダメ?  モチベーションと成果
7-6 「叱る」と「褒める」、どっちがいい?  星野社長の信念、平均への回帰
7-7 評価のしくみが行動を変える?  減点主義と加点主義
7-8 どんな野球チームが強い?  個人インセンティブと集団インセンティブ
7-9 違いはどこにある?  マネジャーとリーダー
7-10 優れたリーダーとはどんな人?  PM理論
7-11 選挙では背の高い方が勝つ?  権威とハロー効果
7-12 権威はどこから生まれる?  地位、能力、人間力
Column7 がんばって報われないと燃え尽きる?  学習された無力感


第8章  DX時代の組織のカタチを考える  「ヒエラルキー」と「ネットワーク」
8-1 大組織の経営に必要なものは?  近代経営の歴史
8-2 マニュアルで教育するとバカの大量生産になる?  官僚制と訓練された無能
8-3 何のためか誰も知らない?  手段の目的化、「休まず、遅れず、働かず」
8-4 節約すると怒られる?  セクショナリズム、予算のつかい切り
8-5 よいリーダー2人より、悪いリーダー1人がまし?  命令の統一、管理の幅、集権と分権
8-6 よいマネジメントは環境によって違う?  ヒエラルキーとネットワーク
8-7 道徳には2種類ある?  統治の倫理と市場の倫理
8-8 「2の99乗」はいくつ?  DXと情報革命
8-9 ブラックホーク・ダウン」の衝撃  アメリカ陸軍の組織改革
8-10 この指とまれ  21世紀型の組織
8-11 ヒエラルキーはもはや機能しない?  チーム・オブ・チームズ(1)
8-12 「権限移譲」するとどうなる?  チーム・オブ・チームズ(2)
8-13 正確さよりもスピード  チーム・オブ・チームズ(3)
8-14 正反対のマネジメント?  ヒエラルキー型とネットワーク型(1)
8-15 マネジメント・システムのまとめ  ヒエラルキー型とネットワーク型(2)
Column8 生物にも2つのタイプがある?  K戦略とr戦略


第9章  地位をめぐる競争のなかで、自分の価値を高める  「人材マネジメント」
9-1 つい他人と比べてしまう?  地位商品と対比効果
9-2 トランプ大統領の交渉術?  ドア・イン・ザ・フェイス
9-3 DXで人間はむしろ忙しくなった?  「赤の女王」、ボトルネック
9-4 食事にありつけるのは利己心のおかげ?  分業・専門化と交換
9-5 誰でも必ず役に立つ?  絶対優位と比較優位
9-6 秋元康さんが最も重要と考えるヒットの条件  人材の差別化と希少価値
Column9 AIとの競争で生き残る人材は?  機械との競争


第10章  豊かな人生を切り拓く  「お金」と「時間」と「知識」のマネジメント
10-1 ギャンブルでお金を稼げる?  還元率、期待リターン
10-2 最も効率のよい投資方法は?  投資とリターン
10-3 投資の所得は、労働の所得を超える?  『21世紀の資本』、投資とリスク
10-4 歯磨きしながら何をする?  巧遅は拙速に如かず、平準化、同時並行
10-5 脳の外に記憶する?  外部記憶とスケジュール管理
10-6 どれを先にやる?  仕事の優先順位(1)
10-7 食事をしてから移動?  移動してから食事? 仕事の優先順位(2)
10-8 クリティカル・パスって、なに?  仕事の優先順位(3)
10-9 「どらえもん」に描かれる世界のしくみ  知識のパワー
10-10 学校の勉強は役に立つ?  何をどう学ぶか
10-11 なぜ、ヨーロッパの駅には改札がない?  世界を見て、日本を考えよう
Column10 なぜ、スティーブ・ジョブズは同じ服ばかり着ていた?  決断疲れ


第11章  少子高齢化に向き合い、生産性を高める  「働き方改革
11-1 なぜ、「働き方改革」が必要なのか?  日本の財政
11-2 なぜ、日本の財政は悪化したのか?  少子高齢化
11-3 日本の働き方は変わったのか?  日本の長時間労働
11-4 正社員の労働時間は飛び抜けて長いまま?  日本の労働時間
11-5 日本の生活水準はどの程度?  日本の生産性
11-6 日本の社員は何でも屋?  ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用
11-7 燃え尽きず生きるために  読者へのメッセージ①
11-8 自分らしく生きるために  読者へのメッセージ②


おわりに

 

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はじめに

    この本を手にとってくださって、ありがとうございます。

 

    私はかれこれ20年以上、防衛大学校経営学を教えてきました。

    名刺交換をすると、「防衛大で経営学ですか?」と聞かれることがあります。防衛大は自衛隊のリーダーを育てる学校ですから、ビジネスを連想させる「経営学」にはそぐわないと思われるのかもしれません。

    防衛大では自衛隊の仕事に関係する教育や訓練を行っていますが、それとともに、幅広い一般教養も重視されます。大学卒業の資格を得るための教育課程では「一般大学と同じように教育する」[i]ことになっており、多くの大学で教えている「経営学」は、防衛大のカリキュラムにも入っています。

    経営学では組織のマネジメントや戦略、リーダーシップについて学びますから、自衛隊のリーダーにとってもかなり役立つという話を卒業生から聞きます。

    日本を代表する経営学者の野中郁次郎先生も、かつて防衛大で教鞭をとりました。野中先生が防衛大の先生らとともに執筆した『失敗の本質』[ii]は、太平洋戦争での日本の敗因を分析したもので、組織論の名著といわれます。

 

    この本を書くにあたって最初に考えたのは、マーケティングでいうターゲット(想定読者)やコンセプト、つまり、どういう性格の本にするかということでした。

    世の中に、経営書やビジネス書はあふれています。ありきたりではない、この本ならではの魅力を打ち出さなければならないと思いました。経営学風にいえば、「コモディティ」にならないよう、「差別化」するということです(3-5)。

    私はかねてから、経営学者の文章はともすれば難解で、実際に何の役に立つのかわかりにくいこともあると思っていました。その一方で、実務家やコンサルタントの解説は、ときとして論理性や根拠に乏しいとも感じていました。

    そこで、科学的な理論に裏打ちされつつも、「わかりやすい」「役に立つ」にこだわった本をつくりたいと考えたのです。

    読者にとって理想的な経営書は、短い時間で理解できて、しかも役に立つというものでしょう。そのような、読者にとってコスト・パフォーマンス(費用対効果)のよい本をつくろうと思いました。

 

    経営学を学ぶと、どんなメリットがあるのでしょうか。

    人それぞれ、人生でやりたいことはたくさんあると思います。それを実現するには、「お金」や「時間」や「知識」が必要です(10章)。そうした「資源」(1-4)が足りないために、やりたいことを満足にできないという人が多いのではないでしょうか。

    経営学の基本は、「費用対効果」(効率、生産性)という考え方です。これを理解して実践すれば、短い時間で多くのことをこなして、「お金」や「時間」や「知識」を得られるでしょう。自由に好きなことができる人生に近づけるのです。

    もう少し具体的にいえば、経営学を学ぶことで、「要領よく仕事をする」(第1章)、「賢い判断をする」(第2章)、「売上や利益を増やす」(第3章)、「小さな費用で大きな成果をあげる」(第4章)、「ライバルとの競争に勝つ」(第5章)、「組織のしくみを理解する」(第6章)、「やる気を活かす」(第7章)、「マネジメントのしくみを理解する」(第8章)、「自分の価値を活かす」(第9章)、「豊かな人生を切り拓く」(第10章)、「生産性の高い働き方をする」(第11章)、といったことのヒントが見つかるはずです。

 

    この本では、「自分が若いころに知っていたら、きっと仕事や人生に役立っただろう」と思う経営学の知識を、できるだけわかりやすくお伝えしようと思います。

    経営学を学びたい社会人や、学生のみなさんを想定読者として、ふだんの授業で話すように書こうと思います。

    難しい数式のようなものはつかわず、言葉で腑に落ちるように説明したいと思います。

    本の構成については、このあとの「目次」に詳しい見出しがあります。各章の最初でも、内容を簡単に紹介します。

 

    それではしばらくのあいだ、経営学の話にお付き合いください。

 

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」』の内容紹介

 

はじめに

 

第1章  ざっくりと全体像を知る  「マーケティングの基本」

1 - 1  マーケティングって、なに?  ドラッカーの言葉

1 - 2  マーケティングは「お祭りのようなもの」?  商品開発の流れ

1 - 3  動物もマーケティングをする?  マーケティングの起源

1 - 4  カッコウ」は恐ろしい詐欺師?  逆陰影、警告色、托卵

1 - 5  ほしい商品がない  時代の変化と消費者心理

1 - 6  80点主義の「カローラ」が売れた時代  モノ不足

1 - 7  「生きるため」から「インスタ映え」へ  消費の飽和、モノ余り

1 - 8  サプライズのない商品は無意味?  ヒット・メーカーたちの名言に学ぶ

1 - 9  人が犬を噛むとニュースになる  奇異効果、商品コンセプト

1 - 10 星野リゾート」が最初にやること  SWOT分析

1 - 11 全員を満足させることはできない  セグメンテーションとターゲティング

1 - 12 コーヒーなら、コーヒーだけがいい  コンセプトづくりのヒント

1 - 13 着せるのではなく、裸にする  コンセプトづくりの実際

1 - 14 ゼロ・サム・ゲーム」をやめて棲み分ける  ポジショニング、ニッチ

1 - 15 なぜ、「QBハウス」は成功した?  ブルー・オーシャン戦略

1 - 16 「ポーターの競争戦略」って、なに?  コスト・リーダーシップ、差別化

1 - 17 「ノー・フリル」って、なに?  コスト・集中、差別化・集中

1 - 18 マーケティング・ミックス」って、なに?  マーケティングの4P

1 - 19 「分析」と「感性」、どちらが大事?  マーケティングの4C、分析のマーケティング

1 - 20 ザクとうふ」は100%趣味だった  感性のマーケティング

Column 1  アメリカ流のマーケティングは、日本でつかえる?

 

第2章  お客のココロを理解する  「マーケティングの心理学」

2 - 1  「影響力の武器」って、なに?  説得の心理学

2 - 2  「よい警官」と「悪い警官」?  対比効果

2 - 3  「謎の選択肢」のねらいは?  おとり効果

2 - 4  なぜ、「カルディ」はコーヒーを渡す?  返報性、ドア・イン・ザ・フェイス、フット・イン・ザ・ドア

2 - 5  ハニー・トラップ」にご注意  コミットメントと一貫性

2 - 6  あと一歩のところで、すべてが白紙?  ロー・ボール・テクニック

2 - 7  「ブラボー」と叫ぶのはサクラ?  同調、バンドワゴン効果スノッブ効果

2 - 8  なぜ、モーター・ショーにコンパニオン?  好感、ハロー効果、連想学習

2 - 9  なぜ、選挙カーは名前を連呼する?  単純接触効果、慣れ親しみ

2 - 10 「6種類」と「24種類」のジャム、どちらが売れる?  わかりやすさ、決定麻痺

2 - 11 高級車はクラクションを鳴らされない?  権威

2 - 12 「売れすぎて販売休止」は本当?  希少性、品薄商法

2 - 13 プレゼンは何番目が有利?  初頭効果、新近効果

2 - 14 安い商品と高い商品、どちらからすすめる?  交渉の手順

2 - 15 なぜ、「タウリン1000mg」?  フレーミング効果

2 - 16 なぜ、「レタス○個分の食物繊維」?  文脈効果

Column 2  なぜ、「中途半端」はダメ?  少数精鋭効果、希釈効果

 

第3章  Product(商品)  どんな商品が売れる?

1 - 1  「ドリルではなく穴」?  商品とサービス

3 - 2  「シェアリング・エコノミー」って、なに?  BtoC、BtoB、CtoC

3 - 3  11,000円のトイレット・ペーパー?  消耗品・耐久品、最寄り品・買回り品

3 - 4  高いワインはおいしい?  低級品、必需品、贅沢品

3 - 5  サプリは本当に効く?  探索財、経験財、信用財

3 - 6  レモンは速い?  ブーバ・キキ効果、クロス・モダリティ

3 - 7  おいしいカエルはお好き?  「客観的な実態」と「主観的なイメージ」

3 - 8  世界有数の企業ブランドは?  ブランド

3 - 9  居心地のよいレストランは、どんな工夫をしている?  感覚マーケティング

3 - 10 なぜ、お刺身パックに大葉?  色彩

3 - 11 デザインを変えただけで、売上が60倍?  デザイン

3 - 12 なぜ、「カレーメシ」?  ネーミング(1)

3 - 13 トマト銀行」で預金が530億円増  ネーミング(2)

3 - 14 シャッター音はつくられる?  音

3 - 15 なぜ、「コカ・コーラ」のボトルはあの形?  体性感覚

3 - 16 コカ・コーラ」が大切にする価値  イメージによる差別化

3 - 17 コモディティ」を差別化するには?  商品戦略の実際

Column 3  読んで面白かったマーケティングの本

 

第4章  Price(価格)  価格戦略のしくみ

4 - 1  「スシロー」はどうやって価格を決める?  価格設定

4 - 2  相手によって値段を変える?  価格差別

4 - 3  値下げは損か得か?  価格弾力性、価格競争

4 - 4  アイスクリームを食べるように値下げする?  価格スキミング

4 - 5  なぜ、みんな「LINE」をつかう?  市場浸透価格

4 - 6  プリンタを安くして、インクで儲ける?  キャプティブ価格

4 - 7  なぜ、ドラッグ・ストアで食料品が安い?  マージン・ミックス

4 - 8  なぜ、お寿司のメニューは「松」「竹」「梅」?  バージョニング、極端回避

4 - 9  バラ売りとセット、どちらを買う?  単品販売とセット販売

4 - 10 Windows」の利益率は85%?  デジタル商品の費用構造

4 - 11 「規模の経済性」って、なに?  固定費と変動費

4 - 12 「サブスク」はデジタルと相性がいい?  限界費用限界利益

4 - 13 「大盛り無料」で損をする人もいる?  「無料」のビジネス・モデル

4 - 14 「Zoom」はどうやって利益を出す?  広告モデル、フリーミアム

4 - 15 ブログを書くのは何のため?  ギフト・エコノミー

4 - 16 値段が高いほど売れる?  見せびらかし消費とヴェブレン効果

Column 4  買うタイミングで値段が変わる?  ダイナミック・プライシング

 

第5章  Place(流通・立地)  どうやってお客へ届ける?

5 - 1  マーケティングの最前線はどこ?  配荷、店内立地、店舗ディスプレイ

5 - 2  コカ・コーラ」の強さの秘密  流通・立地の重要性

5 - 3  お店のなかでも「立地」はさまざま?  エンド

5 - 4  コンビニで一番よく売れる場所は?  プロモーション・エンド、ゴールデン・ライン、POP 広告

5 - 5  売れる商品はますます売れる?  売れ筋、死に筋、動線

5 - 6  なぜ、「日高屋」は「マクドナルド」や「吉野家」の近く?  飲食チェーンの立地(1)

5 - 7  なぜ、「富士そば」は立地にこだわる?  飲食チェーンの立地(2)

5 - 8  あなたなら、どこに店を出す?  ロードサイドの立地(1)

5 - 9  マクドナルド」はどこに店を出す?  ロードサイドの立地(2)

5 - 10 なぜ、「ヤマト運輸」は宅急便を実現できた?  密度の経済性、ドミナント戦略

5 - 11 あなたはリアル派? ネット派?  ラスト・ワン・マイル、ショールーム

Column 5  ネット・ビジネスで成功するには?

 

第6章  Promotion(販売促進)  どうすれば売れる?

6 - 1  プロモーションって、なに?  広告・宣伝、広報・PR

6 - 2  「見た目」と「中身」、どちらが大事?  プロモーションの重要性

6 - 3  どうやって、買うものを決める?  AIDMA、AISAS、AISCEAS

6 - 4  「下町のナポレオン」?  比喩、類推

6 - 5  火花を散らした「JAL」と「JR東海 対比、比較広告

6 - 6  誰が「婚約指輪は給料3カ月分」と決めた?  文化をつくるプロモーション

6 - 7  宮崎駿監督がこだわった「となりのトトロ」のコピー  広告の3点セット、広告コピー

6 - 8  自衛隊が仕掛けた『空飛ぶ広報室  パブリシティ(1)

6 - 9  シン・ゴジラ』の自衛隊はリアル?  パブリシティ(2)

6 - 10 魔女の宅急便』と「ヤマト運輸」の不思議な出会い  タイ・アップ

6 - 11 「ドブ板選挙」が大切?  内部マーケティング

6 - 12 変化はチャンス  これからのマーケティング

Column 6  人と違うことが、強みになる

 

おわりに

 

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はじめに

    この本を手にとってくださって、ありがとうございます。


    私はかれこれ20年以上、防衛大学校で「経営学」や「マーケティング」を教えています。
    防衛大で「マーケティング」というのは、意外に思われるかもしれません。そのあたりの事情は、シリーズ前作の『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』でも書きました。
    防衛大では自衛隊の教育や訓練を行う一方で、一般大学と同じような大学教育も行っています。「経営学」や「マーケティング」にかかわる授業もあります。
    各地の自衛隊も、マーケティング(広報)に取り組んでいます。
    「メディアへの対応」はもちろん、「テレビや映画の撮影協力」「音楽まつり」「ブルーインパルスの展示飛行」「艦艇の一般公開」「富士総合火力演習の一般公開」など、多彩な活動をしています。
    近年はTwitterFacebookInstagramYouTubeなど、ネット・メディアでの広報も行っています。
    この本でも『空飛ぶ広報室』(6-8)と『シン・ゴジラ』(6-9)の広報について、のちほど紹介します。


    このシリーズをつくるにあたって最初に考えたのは、マーケティングでいう「ターゲット」(1-11)や「コンセプト」(1-10)、つまり「どういう性格の本にするか」ということでした。
    世の中に、ビジネス書はあふれています。ありきたりではない、この本ならではの魅力を打ち出さなければならないと思いました。マーケティング風にいえば、「コモディティ」にならないよう、「差別化」するということです(3-3)。
    目指したのは、科学的な理論に裏打ちされつつも、「わかりやすい」「役に立つ」にこだわった、これまでにない本をつくるということです。
    読者にとって理想的な本は、短い時間で理解できて、しかも役に立つというものでしょう。そういう、読者にとってコスト・パフォーマンス(費用対効果)のよい本にしようと思いました。


    この本では「自分が若いころに知っていたら、仕事や人生にきっと役立っただろう」と思うマーケティングの知識を、できるだけわかりやすくお伝えします。
    印象的なエピソードや、具体例をたくさん入れました。ややこしい理屈ではなく、感覚的にスッと理解していただければと思います。
    マーケティングを学びたい社会人や、学生のみなさんを想定読者として、ふだんの授業で話すように書きました。
    本の構成については、このあとの「目次」に詳しい見出しがあります。
各章のはじめでも、簡単に内容を紹介します。


    それでは、しばらくのあいだ、マーケティングの話におつきあいください。

 

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『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』の内容紹介

 

はじめに

 

第1章    ようこそ「意思決定」の世界へ    「知覚」のしくみを体感する 

1 - 1      映画『マトリックス』の世界?    知覚と実在、ドレス問題
1 - 2      同じものが、違って見える?    文脈効果
1 - 3      「ピザって10回言って」の心理学    プライミング効果
1 - 4      なぜ、比較に惑わされる?    対比効果、参照点
1 - 5      「盲点」はどう見える?    知覚
1 - 6      実在しないものが見える?    補完、グループ化
1 - 7      なぜ、秋田犬のお腹は白い?    錯覚、逆陰影
1 - 8      なぜ、鶴岡八幡宮への参道は、だんだん狭くなる?    大きさの恒常性
1 - 9      あなたには、信じられる?    チェッカーシャドー錯視、明るさの恒常性、色の恒常性
1 - 10     なぜ、読めてしまう?    タイポグリセミ
1 - 1 1     最初と最後が肝心?    文字の入れ替え効果、形の恒常性
1 - 12     かき氷のシロップ、実はどれも同じ味?    クロス・モダリティ、感覚マーケティング
1 - 13     見えていても見えない?    非注意による見落とし、変化の見落とし
1 - 14     「意思決定」って、なに?    認知の経済性、認知の節約
1 - 15     世界は本当に実在する?    心、脳、意識、無意識
1 - 16     「脳内」のイメージは正しい?    認知、メンタル・モデル
Column 1  生物によって、感じる世界は違う

 

第2章    「神」と動物のはざまで    「行動経済学」と「進化心理学

2 - 1      「合理性」って、なに?    行動経済学進化心理学認知バイアス
2 - 2      心は、石器時代のまま?    生存と繁殖 
2 - 3      なぜ、キリンの首は伸びた?    進化のしくみ 
2 - 4      なぜ、オスのほうが熱心?    オスとメスの繁殖戦略 
2 - 5      なぜ、鶏舎のオスは1羽だけ?    クーリッジ効果 
2 - 6      受刑者の9割は男性?    男女の心理、空白の石版
2 - 7      女性は成功を恐れる?    インポスター症候群、成功への恐怖、女王蜂症候群
2 - 8      なぜ、敵と味方に分ける?    内集団バイアス
2 - 9      なぜ、生物には寿命がある?    生存と繁殖のトレード・オフ
2 - 10     チーズケーキは快感のかたまり?    超正常刺激
2 - 1 1     動物たちのだまし合い?    コミュニケーション
2 - 12     なぜ、権力闘争をする?    順位性
Column 2  動物も「恋愛」をする?

 

第3章    動物の本能に根ざす「思考の錯覚」    「認知バイアス

3 - 1      悲しみは喜びの2倍?    損失回避
3 - 2      あなたは堅実派? ギャンブラー?    期待値、リスク回避とリスク追求
3 - 3      窮鼠、猫を噛む?    動物の合理性
3 - 4      なぜ、改革は難しい?    参照点への依存、惰性、現状維持バイアス
3 - 5      本当に自分で決めている?    初期設定の効果、ナッジ
3 - 6      なぜ、プーチンウクライナ侵攻を続けた?    サンク・コスト効果
3 - 7      「キツネとブドウ」の心理学    コミットメントと一貫性、認知の不協和
3 - 8      ダイエットは明日から?    異時点の選択、確実性効果
3 - 9      がまんする子は成功する?    マシュマロ・テスト
3 - 10     秋元康さんの創造性の秘密?    知識の「活用」と「探索」
Column 3  今でしょ!」の心理学    現在バイアス

 

第4章    正確さより、スピードを優先する    「ヒューリスティック」 

4 - 1      あなたは直感派? 論理派?    「速い思考」と「遅い思考」
4 - 2      リーダーは背が高い?    ヒューリスティック、ハロー効果 
4 - 3      なぜ、オーケストラの女性奏者は増えた?    ステレオタイプと偏見

4 - 4      あなたは、どちらの人が好き?    初頭効果、新近効果、注意の逓減
4 - 5      「バカが見る~」の心理学    同調、同調圧力沈黙の螺旋
4 - 6      みんな反対なのに、みんな賛成?    全会一致の幻想
4 - 7      困っている人を見たら、声をかける?    傍観者効果
4 - 8      なぜ、自殺の報道は規制される?    フリー・ライド、ウェルテル効果
4 - 9      何度も会うと、好きになる?    単純接触効果
4 - 10     「棚からぼたもち」の罠?    心の会計
4 - 1 1     なぜ、私たちはヒエラルキーをつくる?    分業、専門化
4 - 12     なぜ、手品にダマされる?    確証バイアス
Column 4  「裸の王様」の心理学    集合的無知

 

第5章    比較に惑わされる    「対比効果」

1 - 1      なぜ、スイカに塩をかける?    味覚と聴覚の対比効果
5 - 2      「希望小売価格」のほとんどはウソ?    二重価格表示
5 - 3      あなたなら、どうする?    対比効果による錯覚
5 - 4      なぜ、真ん中を選んでしまう?    アンカリング効果、極端の回避
5 - 5      飲みに行くなら、誰を誘う?    おとり効果
5 - 6      はなまるうどん」の「中」は、「丸亀製麺」の「大」よりも大きかった?    フレーミング効果
Column 5  他人の不幸は蜜の味?   「シャーデンフロイデ」の脳科学

 

第6章    「想起」「連想」「記憶」の錯覚

6 - 1      肩書がなければ、ただの人?    現実とイメージ
6 - 2      クマとクルマ、どっちが危険?    想起容易性バイアス
6 - 3      なぜ、「自分はすごい」と思う?    楽観バイアス
6 - 4      記憶は簡単に変えられる?    記憶の錯覚
6 - 5      だから言わんこっちゃない?    後知恵バイアス、結果バイアス
Column 6  どこをがんばるのが効果的?    ピーク・エンド効果

 

第7章    「計算」「確率」「統計」の錯覚 

7 - 1      あなたは納得できる?    モンティ・ホール問題
7 - 2      あなたは正解できる?    計算の錯覚
7 - 3      なぜ、「2年目のジンクス」になる?    平均への回帰
7 - 4      牛の重さを当てるには?    誤差の相殺
7 - 5      弾の当たらないところを補強せよ?    選択バイアス、生存バイアス
7 - 6      実験データはごまかせる?    公表バイアス、疑似相関
7 - 7      ハトにも迷信がある?    関連性の錯覚、奇異効果
7 - 8      なぜ、占いは当たる気がする?    クロス集計表
7 - 9      誰にでもピタリと当てはまる?    バーナム効果
Column 7  偉人伝を読むと、勘違いをする?

 

第8章    費用対効果で考える    「意思決定の実際」

8 - 1      今日のランチはどこで?    限られた合理性
8 - 2      私たちは実際、どうやって決めている?    満足基準
8 - 3      5人と1人、どちらを救う?    トロッコ問題、功利主義
8 - 4      過酷な状況で、誰を救う?    トリアージ
8 - 5      なぜ、選択しなければならない?    資源の希少性
8 - 6      どうやって優先順位を決める?    効率、費用対効果
Column 8  遠くまで買いに行くのは、本当にお得?    機会費用

 

第9章    波及効果を考えよう    「システム思考」 

9 - 1      ハブ退治にマングースを放ったら、どうなった?    システム思考、波及効果
9 - 2      なぜ、キーボードは打ちにくい?    ネットワーク効果先行者優位
9 - 3      なぜ、アマゾンは1人勝ちした?    浸透価格
9 - 4      なぜ、ブランド品は値下げをしない?    軍拡競争
9 - 5      なぜ、スーパーは特売をする?    マージン・ミックス
9 - 6      なぜ、ジレットはカミソリを安くした?    消耗品モデル
Column 9  ジリ貧の罠? 「ゆでガエル」現象

 

第10章    これからの時代の    「意思決定のヒント」

10- 1      考えごとは、楽な姿勢で?    読書のノウハウ
10- 2      あなたは紙派? デジタル派?    メモのノウハウ
10- 3      イデアがひらめくのはいつ?    三上、三中
10- 4      「無我夢中」の心理学    フロー
10- 5      こんなときは、どう決める?    さまざまな意思決定
10- 6      言語化できない知識もある?    形式知暗黙知
10- 7      その情報は、本当に正しい?    クリティカル・シンキング
10- 8      学び続けるしかない時代    知識の陳腐化

 

おわりに

 

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はじめに

    この本を手にとってくださって、ありがとうございます。

 

    「意思決定」というのは、ちょっと謎めいた言葉ではないでしょうか。
    ビジネスやマネジメントにたずさわる人なら、必ず耳にはするでしょう。「組織」や「戦略」に匹敵する、経営のキーワードです。ところが日常ではあまりつかわれず、意味をつかみにくい言葉でもあります。


    この本を読むうちに、だんだんと全貌が見えてくると思いますが、簡単にいえば「意思決定」は「決める」ことです。
    仕事でもプライベートでも、私たちは日々さまざまな判断をします。何かが起きて「どうしよう」と考え、「こうしよう」と決める。これが「意思決定」です。
    もちろん、ただ決めればよいということではなく、「賢い判断」「正しい選択」が求められます。そのためには、多くの経験から学び、実践的なセンスを磨くのも大切でしょう。それと同時に、この本で紹介するような知識も、きっと役に立つでしょう。
    私たちの人生は、決定の連続です。思考や判断のセンスを磨いて、賢い選択を重ねれば、よい人生になるでしょう。この本で、そのお手伝いができればと思います。


    私はかれこれ25年ほど、防衛大学校で「意思決定」を教えています。
    学生たちは「学生隊」という組織のなかで、リーダー(管理職)の役割を与えられ、「学生舎」(学生寮)で次々と起こる問題の解決にあたります。
    ビジネス・パーソンと同じように、担当する仕事について、判断を繰り返す日々なのです。
    彼らはやがて自衛隊のリーダーとして、ときには過酷な状況で、難しい決断をするでしょう。
    たとえば、救助の現場で被災者が見えたら、救いたいと思うのは当然でしょう。しかし、悪条件のなかで無理をすれば、二次災害をまねくかもしれません。状況によっては、活動を休止する勇気も必要でしょう。
    (この本の執筆時点で)ウクライナの防衛隊が直面しているような状況になれば、反撃するのか退くのか、部隊の配置や運用をどうするか、さまざまな判断をせまられるでしょう。刻々と変わる状況のなかで、プレッシャーに耐え、時機を逃さず、的確な決定を重ねなければなりません。
    そういう、未来のリーダーたちとの交流から生まれた講義ノートが、この本の原型になりました。彼らが興味をもってくれたトピックス、彼らの琴線にふれた言葉を思い起こしながら、わかりやすく読者にお伝えできればと思います。

 

    この本は『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』、『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」』に続く、「今さら」シリーズの3作目になります。
    世の中に、ビジネス書はあふれています。「このシリーズならではの魅力は何か」と自問しました。科学的な理論に裏打ちされつつも「わかりやすい」「役に立つ」にこだわった、これまでにない本をつくろうと思いました。
    読者にとって理想的なのは「短い時間で理解できて、役立つ知識が身につく」というものでしょう。そういう「コスト・パフォーマンス」(費用対効果)のよい本をめざしました。
    「自分が若いころに知っていたら、仕事や人生にきっと役立っただろう」と思う「意思決定」の知識を、できるだけわかりやすくお伝えしようと思います。
    知的な好奇心を刺激するトピックス、印象的なエピソード、具体例を盛り込んで、ややこしい理屈ではなく、感覚的にスッと理解してもらうことをめざします。
    「意思決定」について学びたい社会人や、学生のみなさんを想定読者として、ふだんの授業で話すように書きます。
    脚注で紹介する参考資料は、本来はオリジナル(多くは英語)の学術論文にするべきかもしれませんが、この本では一般の読者が入手しやすく、わかりやすいものを中心にしました。


    本の構成については、このあとの「目次」に詳しい見出しがあります。
    各章のはじめにも、簡単な内容紹介があります。


    それではしばらくのあいだ、「意思決定」の話におつきあいください。

 

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