以前、「終わった課題は忘れ、やりかけの課題は気になる」という「ツァイガルニク効果」(1) (2)の話をしました。
「内容を事前に一切明かさない」という宣伝手法がうまくいく背景には、ツァイガルニク効果もあるのかもしれません。
私たちの記憶力(memory、メモリー)や思考力、脳のリソース(cognitive resources、認知資源)は限られています。
だから、終わったこと、覚えておく必要のなくなったことはどんどん忘れて、脳メモリーを開放しなければなりません。
そうしないと、次の新しい課題へリソースを振り向けることができないからです。
現在進行中の懸案は気がかりで、いつまでも頭の片隅に残ります。
宮崎駿監督のファンは、新作『君たちはどう生きるか』の情報を、興味をもって追うはずです。
満足する情報が見つかれば、そこで一段落して、いったんは映画のことを忘れるでしょう。
しかし、いくら探しても情報が見つからないと、余計に気になって、ずっと忘れられないのではないでしょうか。
私もその術中にはまったようで、『君たちはどう生きるか』が公開されると、いそいそと映画館へ出かけました。
解けない謎が多かったので、見終わってからも映画のことが気になりました。
その後『スイッチ』という雑誌(*1)にこの映画の特集が載ったと知ると、すぐにAmazonで買って、読みふけったりしました。
「宣伝しない宣伝戦略」は奇策のようですが、実は心理学的に計算された手法なのかもしれません。
*1 『SWITCH』Vol.41、No.9(2023年9月号) 「ジブリをめぐる冒険」
https://www.amazon.co.jp/dp/4884186060/
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「宣伝会議」さまの実践講座に登壇しました。
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◆ 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にノミネートされました。
◆ ライザップの瀬戸健社長が、『週刊文春』で書評をお書きくださいました(2021年10月28日号、p.121)。
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今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」【内容紹介】
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今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」【内容紹介】
◆ 『PRESIDENT』2023年2.17号の「職場の心理学」のコーナーで、「絶対に失敗が許されない人の「意思決定力」養成法」と題した著者の記事が掲載されました(p.106-109)。
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