(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨーロッパ鉄道紀行(4) クライネ・シャイデック

クライネ・シャイデックの背後には、荒涼とした雪山がそびえていました。 Kleine Scheidegg, Switzerland なんとも雄大な景色。 Kleine Scheidegg, Switzerland 天国的な風景です。 Kleine Scheidegg, Switzerland アイガー北壁の麓、空を映す水鏡。 Kleine …

『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』

本日、著書が発売になりました。 どうか、よろしくお願いいたします。 https://twitter.com/Ocha_MARUZEN/status/1407931813356466176 ⇒「お知らせ」の記事一覧はこちら。 ⇒ ブログの概要(トップ・ページ)はこちら。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「宣伝会議」さまの実践…

ヨーロッパ鉄道紀行(3) ラウターブルンネン

週末のCoffee Breakです。 旅行2日目は、ユングフラウ鉄道群をつかって、山岳地帯を散歩。 ホテルで朝食をすませて、インターラーケン東駅できっぷを買いました。 まずは、ベルナー・オーバーラント鉄道で、ラウターブルンネンへ。 のどかな山あいの村です。…

がんばっても報われないと燃え尽きる?: 学習された無力感

今回は著書のコラムから、Column 7の内容を紹介します。 「学習された無力感」(learned helplessness)と呼ばれる心理現象があります。経営学者の金井壽宏先生らは、次のようにまとめています。私も含め、ビジネス・パーソンにとっては、身につまされる話で…

日本の生活水準はどの程度?: 日本の生産性

今回は著書の第11章から、11-5の内容を紹介します。 みなさんは、日本の生活水準は高いと思いますか? もちろん、世界全体の中では高い方でしょう。しかし、先進国の中ではどうでしょうか。そもそも、生活水準はどのように決まるのでしょうか。 さまざまな国…

なぜ、ヨーロッパの駅には改札がない?: 世界を見て、日本を考えよう

今回は著書の第10章から、10-11の内容を紹介します。 幅広い視野をひらくために、若いみなさんにおすすめしたいのは、海外を旅することです(残念ながら執筆時点では「新型コロナ」の影響で、海外旅行は難しくなっています)。 「日本の常識は世界の非常識」…

秋元康さんが最も重要と考えるヒットの条件: 人材の差別化と希少価値

今回は著書の第9章から、9-6の内容を紹介します。 人材の価値を高める戦略も、基本的には商品の競争戦略と同じでしょう。いくらでも代わりのあるコモディティ(3-5)では、人材もあまり高く評価されません。独自の価値や魅力をもつように差別化することが…

よいリーダー2人より、悪いリーダー1人がまし?: 命令の統一、管理の幅、集権と分権

今回は著書の第8章から、8-5の内容を紹介します。 官僚制(ヒエラルキー)の基本原則に「命令の統一」(unity of command)というものがあります。「命令の一元性」と翻訳されることもあります。これは「すべてのメンバーは、直属の上司にだけ報告し、直属の…

ヨーロッパ鉄道紀行(2) ブリエンツ ~ インターラーケン

列車は、湖上のブリエンツ駅に到着しました。 Brienz railway station on the lake ( Switzerland ) 旅の初日は、インターラーケンにホテルをとっていました。 鉄道で行くこともできるのですが、せっかくなので、ブリエンツから湖を遊覧船でわたることにしま…

選挙では背の高い方が勝つ?: 権威とハロー効果

今回は著書の第7章から、7-11の内容を紹介します。 バーナードはリーダーの「権威」(authority)について、面白い説明をしています。 「リーダーが部下に命令して、部下がそれをきちんと実行したら、リーダーには権威がある。もし部下が言うことを聞かない…

ヨーロッパ鉄道紀行(1) チューリッヒ ~ ルツェルン

週末のCoffee Breakに、海外の写真紀行を書いていこうと思います。 最後に海外へ行ったのは、2018年秋のヨーロッパでした。 ユーレイル・パス(国外観光客向けの乗り放題きっぷ)を使った鉄道の旅です。 スイス(チューリッヒ、ルツェルン、インターラーケン…

自分は嫌だけど、他人にはやってほしい: 社会的ジレンマ、共有地の悲劇、自己成就する予言

今回は著書の第6章から、6-3の内容を紹介します。 「囚人のジレンマ」という言葉は参加者が2人のときにつかわれ、3人以上になると「社会的ジレンマ」(social dilemma)と呼ばれます。 ネズミの社会で、「ネコの首に鈴をつける」相談をしているとしましょう…

星野社長のキャリアを変えた経営理論: ポーターの競争戦略

今回は著書の第5章から、5-1の内容を紹介します。 ビジネスの現場で最も有名で、よくつかわれている経営理論は、ポーター(Michael E. Porter)の競争戦略ではないでしょうか[1]。 星野リゾートの星野佳路社長は、あるテレビ番組で「私の1冊」を尋ねられて…

なぜ、セブン‐イレブンは急に増える?: 規模の経済性、速度の経済性、密度の経済性

今回は著書の第4章から、4-6の内容を紹介します。 家賃や人件費は、売上に関係なく面積や時間で決まる「固定費」です。一定のスペースに多くの席を設けたり、一定の時間内に多くのお客に来てもらえば、一定の費用から大きな売上をあげられます。 このように…

なぜ、プリンタは安すぎる?: キャプティブ価格

今回は著書の第3章から、3-7の内容を紹介します。 スイッチング・コストやロック・インを利用した「キャプティブ価格」(captive pricing)という戦略もあります。 これは「補完的な商品群のなかで、入り口になる商品の価格を安くして顧客を誘い込み、ロック…

食べ放題で元をとる?: 埋没費用とコンコルド効果

今回は著書の第2章から、2-10の内容を紹介します。 意思決定をするうえで「埋没費用」(sunk cost)には注意が必要です。英語のまま「サンク・コスト」と表記されることもあります。 みなさんなら、次のような状況についてどう思いますか? 今つきあっている…

高いほど売れる「シーマ現象」: 見せびらかし消費とヴェブレン効果

経営学について書いていこうと思いますが、最初の10回程度は、著書の内容紹介をさせていただきたいと思います。 今回は第1章から、1-7の内容を紹介します。 経済学者のヴェブレン(Thorstein B. Veblen)は『有閑階級の理論』(1899年出版)で、「見せびらか…

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」 ◆ 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にノミネートされました。 ◆ ライザップの瀬戸健社長が、『週刊文春』で書評をお書きくださいました(2021年10月28日号、p.121)。 ◆ 増刷(6刷)になりました。 …

プロフィール

25年以上にわたり、大学で経営学を教えています。 仕事にも人生にも役立つ経営学をお伝えしていけたらと思います。 趣味は、国内外の旅行、写真、料理、クラシックを中心とする音楽など。 https://twitter.com/ll_koki_sato_ll https://www.facebook.com/ll.…