下の左右の絵を、見くらべてください。
NTT「錯視と錯聴を体験 Illusion Forum」「大きさの恒常性 2」
https://illusion-forum.ilab.ntt.co.jp/size-constancy2/index.html
描かれているゾウやネズミの大きさは同じですが、右の絵では、ゾウがミニチュアになったような違和感を覚えるのではないでしょうか。
私たちは日常の経験から、さまざまな知覚の恒常性(constancy)を学習します。
「状況が変わっても、同じものは同じように感じられる」ということです。
遠くにあるものは小さく見えますが、これを「本当に小さくなった」と勘違いしては、いろいろな判断を誤るでしょう。
私たちは経験から、「遠くにあるものは小さく見えても、実際にはもっと大きい」ことを学習しています。
距離に応じて「見た目の大きさ」を補正し、「実際の大きさ」を推測できるのです。
こうして「同じものは同じ大きさに感じられる」のですが、これを「大きさの恒常性」(size constancy)といいます。
左の絵では「ゾウは遠くにいる」ように描かれていますから「見た目には小さくても実際には大きい」と感じられ、違和感がないのです。
かつての鎌倉幕府の近くに、鶴岡八幡宮へと続く参道「段葛」があります。
この参道は八幡宮に近づくほど、だんだんと道幅が狭くなります。
日光東照宮の「石鳥居」(一ノ鳥居)へと登る階段も、上へ行くにつれて、幅も段差も狭くなります。
「大きさの恒常性」の原理で、小さなものは遠くにあると感じられます。
だから少しずつ寸法を小さくしていくと、見る人は実際よりも遠くまで道が続いていると錯覚するのです。
より遠くにあるものは、より大きく補正されるので、建物を大きく見せる効果もあるのでしょう。
そういう手法は「東京ディズニーランド」でも駆使されています。(*1)
*1 菊池聡著『改訂版 錯覚の科学』(放送大学教育振興会、2020 年)、p.48
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