北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利 豪)と、経営学者のコーキ(佐藤 耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。
* FMりべーる「クラシックにくびったけ」
https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/
https://clatake837.amebaownd.com/
アサリ メジャーではないけど、マタチッチ(Lovro von Matacic、1899~1985年)とフィルハーモニア管弦楽団のライヴ(1958年)もいい。
マタチッチはいろんなオーケストラに客演したけど、チェコ・フィル(ブルックナーなど)以外は、ほとんどがライヴ盤。
常任のオケには恵まれなかったけど、どの楽団もマタチッチにかかると重厚な音楽を奏でるという、特異な存在だった。
コーキ マタチッチは、NHK交響楽団にもよく客演していたね。
彼が振るとN響の底力が引き出されて、分厚い響きでよく鳴っていた。
アサリ フィルハーモニア管弦楽団との相性もよく、ブルックナーの交響曲3番「ワーグナー」でも名演を残している(これもライヴ録音)。
チャイコフスキーの後期交響曲もそうだけど、ロシア物とマタチッチの相性はいい。
「シェエラザード」でも、巨大な「千夜一夜物語」を構築している。
コーキ マタチッチの「シェエラザード」は、しっとりと美しいね。
イメージ的に、この曲に合うとは思われていないのか、知られざる名盤だと思う。
聴いたことがなければ、ぜひおすすめしたい演奏。
EMIの録音も、奥行きと味わいがある。
マタチッチ指揮、フィルハーモニア管弦楽団(1958年)のCDジャケット。
アサリ 最後に、「とんでもない録音」を1枚。
ロシアの怪人、ゴロワーノフ(Nikolay Golovanov、1891~1953年)の指揮、ボリショイ管弦楽団による演奏(1946年)。
ゴロワーノフは、原曲がどうであれ、ひたすら自分の世界にのめり込む、デフォルメの嵐のような芸風。
フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュとは違って、即興性はない。
ポルタメントを多用するスタイルはメンゲルベルクに近く、誇張の度合いはメンゲルベルクを凌ぐ。
メンゲルベルクの特徴は、弦の美しさ、ポルタメントの多用、テンポの揺れ。
ゴロワーノフは、急なブレーキ、金管のド派手な咆吼、曲の改変が特徴。
聴き手へのサービスというよりは、ゴロワーノフ自身の信条のようで、そこが特異なところ。
ゲテモノがお好きな方には、ぜひおすすめしたい。
今後もいろいろな曲で「とんでもない録音」を紹介するので、お楽しみに。
コーキ まず、ヴァイオリン・ソロが巨匠、オイストラフ(David Oistrakh、1908~1974年)だね。
この曲では、たいていオケのコンマスが腕前を披露するけど、さすがにオイストラフは別格の存在感を放っている。
凄すぎて、浮いているほど。
演奏は、録音が古いということもあり、冒頭から独特の雰囲気で、味わい深い音色。
たしかに、メンゲルベルクを彷彿とさせるところもある。
個人技はうまいので、指揮者のせいかもしれないけど、オケは縦線がズレて、バラバラになるところがある。
このアンサンブルにオイストラフはもったいないとも思ってしまう。
でも音色には不思議な魅力があって、何度も聴きたくなる。
とくに終楽章はいいね。
ゴロワーノフ指揮、ボリショイ管弦楽団(1946年)のCDジャケット。
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