H・ファヨール著、佐々木恒男訳『産業ならびに一般の管理』(未来社、1972年)。
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今回は「14の管理原則」のうち、(11)~(14)を紹介します(p.70~73)。
(11)公正の原則
● 従業員がその職務の遂行において、進んで事に当ろうとする熱意と、可能な限りの献身をもたらすように奨励されるためには、従業員が好意をもって取り扱われることが必要である。公正は好意と正義の結びつきからもたらされる。
(12)従業員安定の原則
● 担当者が新しい職務に精通し、それをよく遂行するようになるのには、仮に彼がそれに必要な能力を備えているとしても、時間が必要である。彼の手ほどきが終了した時あるいはこの手ほどきが完了する以前に、その担当者が配置転換されるならば、評価し得るような仕事をする暇がないであろう。
(13)創意の原則
● 計画を立案しそれを実行するというこの可能性は、われわれが創意と呼ぶものである。計画を提案する自由とそれを実行する自由もまた、創意である。
● 社会階級のすべての階層において、担当者の熱意と活動は創意によって増大される
● 権限と規律の尊重によって課せられる制約のなかで全員の創意を喚起し維持するためには、多くの明晰さと一定の勇気が必要である。部下にこの種の満足を与えるためには、責任者は自尊心をいくらか犠牲にするすべを心得ていなければならない。
(14)従業員団結の原則
● 企業の従業員の間の調和・団結は、企業にとっての大きな力である。
● 敵の力を弱めるために、敵の力を分裂させるのは巧みなことである。しかしそれ自身の諸集団を離間させるのは、企業に対する重大な過ちである。
● 事業の問題を処理するため、あるいは説明によって補足されねばならないような命令を与えるためには、文書で行うよりも口頭で行う方が一般にいっそう簡単であり、迅速である。会話によれば解決され得る紛争あるいは誤解が、文書での連絡によってしばしば先鋭化する。可能な場合にはいつでも、連絡は口頭でなければならない。口頭での連絡によって、われわれは連絡の迅速性、明瞭性、調和を手に入れる。
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