池澤夏樹さん作詞、木下牧子さん作曲の「ローラ・ビーチ」という合唱曲があります。
私は学生時代に「北大混声合唱団」で指揮者をしていたのですが、演奏会のアンコールではこの曲をよく演奏しました。
「人の目が見ていなくても 風景はあるものだろうか」という歌詞で始まるのですが、この一節は哲学の「唯我論」(solipsism、独我論)を思い起こさせます。
「客観的に実在すると自分が信じている世界は、実は存在しないのかもしれない。すべては、自分の脳が生み出す幻影かもしれない」というような考え方です。
デカルトの「われ思う。ゆえに、われ在り」という言葉は有名です。
「私は考えている。だから、私(の意識)は存在する」ということでしょう。
「自分は考えている」「自分には意識がある」ということは、自分の脳のなかのことですから、自分で直接、感じることができます。
しかし、自分(の脳)の外の世界についてはどうでしょう。
私たちは、いわゆる五感、「目」「耳」「鼻」「舌」「皮膚」といった「感覚器」を通じて、外界の情報(のごく一部)を知覚します。
そういう感覚器からの情報を解釈して、外界の様子を推測するしかないのです。
もちろん(私も含め)ほとんどの人は、世界は実在すると思っているでしょう。
しかし、私たちが眠っているときの夢はどうでしょう。
夢のなかでの「知覚」に、対応する客観的な実在はありません。
幻覚を引き起こす病気や、幻覚作用のある薬物もあります。
私たちが信じる「世界」は、意外にあやふやなのかもしれません。
映画『マトリックス』では、眠りについた人々がデジタルの仮想世界に接続され、偽りの現実のなかで暮らします。
現在の技術では、そこまでは実現できないでしょう。
しかし、近年話題になった「メタバース」( metaverse、デジタルの仮想世界)などは、方向性としては、それに近いのかもしれません。
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