週末のCofee Breakです。
1998年に放送されたテレビ・ドラマ版の「劇的紀行 深夜特急」(第3便「飛光よ!ヨーロッパ編」)では、マルセーユで原作にはないエピソードが加えられています。
いよいよ所持金が底をついた主人公(大沢たかおさん演じる沢木さん)は、日本にいる恋人「真理子」に電話をかけ、マルセーユへ送金してほしいと頼みます。
すると「真理子」本人がマルセーユまで訪ねてきて、主人公とひとときを過ごすというストーリーです。
ドラマ版の制作にもかかわった沢木さんは、次のように書いています。
そのようにして作られた映像版の『深夜特急』は、ドキュメンタリーとフィクションをないまぜにした不思議な作りのものになった。私の旅の道筋を辿りながら、私が経験したようなことをフィクションとして織り込んでいく。……
(沢木耕太郎著『旅する力 ―深夜特急ノート―』新潮文庫、2008年、p.309)
「真理子」のエピソードがフィクションなのか、似たようなことはあったのか、定かではありません。
沢木さんの所持金が残り少なかったのはたしかで、モナコへ到着したときには「総額で五百ドルを切っている」と書かれています。
沢木さんが旅立つ前夜、女性と別れを惜しんでいたことも、原作の『深夜特急』で書かれています。
……私が驚いたのはそのことではなく、昨夜、自分もそのフェアモント・ホテルにいたからなのだ。ガラス張りのティー・ルームで友人と別れを惜しんでいた。
「女性の?」
彼が笑いながら訊ねてきた。もちろん、と私は断固とした調子で答えた。別にそんな力むことはなかったのだが。
(沢木耕太郎著『深夜特急1 香港・マカオ』新潮文庫、2020年、第二章「黄金宮殿 香港」)
かつて千鳥ヶ淵にあった「フェアモント・ホテル」(Fairmont Hotel)を知っているのは、それなりに年配の人かもしれません。
そこにあった「ガラス張りのティー・ルーム」は有名で、松任谷由実さんの「経る時」という歌に描かれているそうです。
それはともかく、ドラマ版の「深夜特急」では、主人公と真理子がマルセーユの「旧港」沿いを歩いたり、「ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院」の展望台から街を眺めるシーンがあります。
マルセーユの「旧港」(2017年に撮影)。
丘の上に見えるのが「ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院」。
「ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院」の展望台からの眺め(2017年に撮影)。
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