北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利 豪)と、経営学者のコーキ(佐藤 耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。
* FMりべーる「クラシックにくびったけ」
https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/
https://clatake837.amebaownd.com/
アサリ 「ロシア音楽はロシアの指揮者で」という方におすすめしたいのが、ゲルギエフ(Valery Gergiev、1953年~)指揮のキーロフ歌劇場管弦楽団(2001年)。
ゲルギエフのロシア作品は、濃厚な色彩が特徴。
チャイコフスキー、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーなど、概ねハズレはない印象。
「シェエラザード」も、上品すぎず燃焼度が高く、ゲルギエフらしい。
録音も文句なし。
コーキ ねっとり濃厚で、美しく味わいのある演奏だね。
私には、やや油っこすぎるかも。
安定感があり、完成度も高く、定盤のひとつには違いない。
とくに終楽章の盛り上がりは凄まじい。
ゲルギエフ指揮、キーロフ歌劇場管弦楽団(2001年)のCD裏ジャケット。
アサリ ストコフスキー(Leopold Stokowski、1882~1977年)指揮、ロンドン交響楽団の演奏(1964年)も、昔から人気がある。
ストコフスキーは一流のエンターテイナーだね。
奇をてらう芸風にして、サービス精神が旺盛。
「シェエラザード」でもストコフスキー節が炸裂するけど、他の曲よりは少し控えめ。
なかなかの好演だと思う。
コーキ ちょっと大げさな表現で、ストコフスキーらしい演奏効果へのこだわりを感じる。
たしかに「新世界より」とは違って、極端に楽譜をいじるようなことはしていない。
一流オケのコンマス(コンサート・マスター)は名手ぞろいだけど、この演奏のグリューエンベルク(Erich Gruenberg)も、妙なる響きで美しいヴァイオリン・ソロを聴かせてくれる。
よく響く(開放弦と共鳴する)音程をとっているのか、平均律とはちょっと違うメロディーに聴こえる。
往年の名ヴァイオリニスト、エルマン(Mischa Elman 1891~1967年)を彷彿とさせるような、ロマンティックで情感豊かなスタイル。
録音は、強奏部などで音が割れるけど、十分に楽しめるね。
ストコフスキー指揮、ロンドン交響楽団(1964年)のCDジャケット。
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