(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

クラシック音楽の名曲・名盤を語る:ドヴォルザーク「交響曲9番」(13)

北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利 豪)と、経営学者のコーキ(佐藤 耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。

*  FMりべーる「クラシックにくびったけ」

https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/

https://clatake837.amebaownd.com/

 

コーキ  だいたい、こんなところかな。

新世界より」はポピュラーなだけに、名盤も多いね。

決定盤を3枚だけ選ぶとしたら・・・。

 

アサリ  ちょっと待ってよ。

ここまでは名盤を挙げたけど、最後は強烈に尖った演奏を語りたい。

 

コーキ  アサリは個性派が好きだから、嫌な予感しかしないけど・・・。

 

アサリ  ということで、最後に「とんでもない演奏」を紹介したい。

まずは、スヴェトラーノフ(Yevgeny Svetlanov、1928~2002年)の2つの録音。

ソヴィエト国立交響楽団(1981年)と、スウェーデン放送交響楽団(1983年)。

いずれも彼らしく、重戦車のような迫力のある演奏。

終楽章の最後は、ふつうは余韻を残すように、最弱音へと減衰する。

ところがスヴェトラーノフはそこをフォルティッシモで押し切り、曲の印象をまったく変えてしまった。

 

コーキ  手元のスコア(全音楽譜出版社、2016年)で、曲の最後を確認しようか。

 

最後の348小節、多くの管楽器には「lunga corona」(長いフェルマータ)、「dim」(ディミヌエンド、だんだん弱く)と書いてあり、最後は「ppp」(ピアニッシッシモ、きわめて弱く)となっている。

本来はだんだん減衰して、消え入るように終わるはず。

なぜスヴェトラーノフがああいう解釈をしたのか興味深いけど、今となっては永遠の謎だね。

彼はNHK交響楽団に客演するなど、日本でも馴染みのある指揮者だったね。

 

スヴェトラーノフ指揮、ソヴィエト国立交響楽団(1981年)のCDジャケット。

 

スヴェトラーノフ指揮、スウェーデン放送交響楽団(1983年)のCDジャケット。

 

アサリ  とんでもない演奏のもうひとつは、ストコフスキー(Leopold Stokowski、1882~1977年)のニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1973年)。

まずは第1楽章の最後で、金管が派手にトリルをするという暴挙に出る。

終楽章の序奏では極端なリタルダンドをするなど、やりたい放題。

クラシック界で最高のエンターテイナーともいえるストコフスキーが、思う存分に演奏効果を誇示した、究極の1枚ともいえる。

 

コーキ ストコフスキーは「音の魔術師」とも呼ばれて、個性的、独創的なアイデアで知られるけど、ここまで来るともう「解釈」というより「編曲」だね。

斬新なのか、冒涜なのか・・・。

 

ストコフスキー指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1973年)のCD裏ジャケット。

 

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