前回は、「『タイパ』に優れた動画の充実とともに、文章が読まれなくなるのは必然かもしれない」と書きました。
文章よりも動画が好まれる背景には、動画のほうが脳にとって自然に処理しやすい、つまり「わかりやすい」こともあるのかもしれません。
「わかりやすさ」は、「脳にとって情報処理が簡単」「早く楽に理解できる」「スーッと頭に入る」ということです。
認知心理学では「認知容易性」(cognitive ease)や「認知流暢性」(cognitive fluency)といいます。
情報が「わかりやすい」というのは、「認知資源(思考力)を節約して、速く簡単に理解できる」「情報処理の「タイパ」(時間効率)がよい」ということです。
私たちの脳は、重さでは体重の約2%にすぎませんが、代謝エネルギーの約20%を消費します。
私たちの祖先が暮らした厳しい環境では、カロリーを無駄につかえば、餓死するおそれがありました。
だから私たちは、脳を効率よく使うように進化したと考えられます。
認知心理学では「認知の経済性」(cognitive economy)や「認知の節約」(cognitive miser、認知の倹約)といいます。
私たちが「難しさ」を嫌い、「わかりやすさ」を好む背景には、そういう事情があるのでしょう。
次回は「なぜ文章よりも動画がわかりやすいのか」、行動経済学の観点から考えます。
⇒ ブログの概要(トップ・ページ)はこちら。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「宣伝会議」さまの実践講座に登壇しました。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆ 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にノミネートされました。
◆ ライザップの瀬戸健社長が、『週刊文春』で書評をお書きくださいました(2021年10月28日号、p.121)。
単行本、聴く本(オーディオブック、Audible)、電子書籍(Kindle、Kobo、Kinoppy、honto、Doly)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」【内容紹介】
◆ 「二子玉川 蔦屋家電」さまで、マーケティングの月間ランキング1位になりました(2022年5月、6月、9月)。
◆ 『日刊工業新聞』さまに書評が掲載されました(2022年2月7日)。
単行本、聴く本(オーディオブック、Audible)、電子書籍(Kindle、Kobo、Kinoppy、honto、Doly)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」【内容紹介】
◆ 『PRESIDENT』2023年2.17号の「職場の心理学」のコーナーで、「絶対に失敗が許されない人の「意思決定力」養成法」と題した著者の記事が掲載されました(p.106-109)。
単行本、聴く本(オーディオブック、Audible)、電子書籍(Kindle、Kobo、Kinoppy、honto、Doly)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆