週末のCofee Breakです。
沢木さんは結局、マルセーユから西へ向かうことにします。
だとすれば、と私は思った。もう少し旅を続けてみればいいのではないだろうか。前はパリ、後ろは北アフリカ。だが、この左手に進んでいけばイベリア半島の奥へ足を踏み入れることになる。とりあえず、スペインまで行ってみたらどうだろう。スペインからポルトガルのリスボンまで行く。そして、そのユーラシアの果てのリスボンでも満足できなかったら……その時は、アフリカにでもどこへでも渡っていけばいいのだ。
(沢木耕太郎著『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』新潮文庫、2020年、第十六章「ローマの休日 南ヨーロッパI」)
沢木さんはバルセロナ、バレンシア、マドリード、リスボンを経て、ユーラシア大陸の南西端、サグレスに行き着きます。
そしてサン・ビセンテ岬(Cabo de Sao Vicente)に立った沢木さんは、ついに旅を終える決心をします。
一時間ほど歩くと、灯台がぽつんと建っているだけの崖に着く。そこがユーラシア大陸の果ての岬だった。
……
ふと、私はここに来るために長い旅を続けてきたのではないだろうか、と思った。いくつもの偶然が私をここに連れてきてくれた。その偶然を神などという言葉で置き換える必要はない。それは、風であり、水であり、光であり、そう、バスなのだ。……
……
翌日、朝の光の降りそそぐテラスで食事をとりながら、これで終わりにしようかな、と思った。
(沢木耕太郎著『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』新潮文庫、2020年、第十七章「果ての岬 南ヨーロッパII」)
沢木さんはふたたびバスを乗り継いで東へ戻り、パリで数週間を過ごします。
パリで滞在した場所は、「地下鉄をジョルジュ・サンクで降り、シャンゼリゼ大通りを凱旋門に向かって少し歩き、そこを曲がってすぐの古い建物」と書かれています。
シャンゼリゼ通りの西端にある「凱旋門」(2017年に撮影)。
ある日、沢木さんは意を決して、いよいよ旅を終えるべく、ロンドン行きのバスに乗ります。
出発の前夜にはエッフェル塔に昇ろうとしますが、料金が高くてあきらめたそうです。
沢木さんが登らなかった「エッフェル塔」(2017年に撮影)。
沢木さんも歩いた、ロンドンの「ピカデリー・サーカス」(2015年に撮影)。
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