前回の「システム思考」でよく話題になるのが、「軍拡競争」(arms race)という現象です。
たとえば冷戦の時代、アメリカが軍備を拡張します。
それに対抗して、ソ連も軍備を増やします。
それを見て、アメリカはさらに軍備を増やします。
それを見て、ソ連も……。
そういうやりとりの結末は、どちらも損をするということでしょう。
しかし、ソ連も対抗して同じように軍備を増やせば、相対的な力関係は変わりません。
それを繰り返せば、どちらも優位に立てないまま、軍事費の負担ばかりが増えて、財政は厳しくなる一方でしょう。
ビジネスでは「価格競争」(price competition)がこれにあたります。
たとえば大手の牛丼チェーンは、たびたび「牛丼戦争」と呼ばれる価格競争を繰り広げました。
(お客が価格に敏感なとき)自分だけが値下げをすれば、売上は増え、利益も増える可能性があります。
目先のことを考えれば、値下げは魅力的に思えます。
しかし、不利になったライバルは、対抗手段に出るでしょう。
「ライバルも価格を下げる」「こちらも対抗して、さらに価格を下げる」という悪循環に陥ると、どちらも優位に立てないまま、利益だけが減り続け、経営は苦しくなる一方です。
ライバルとの競争では、そういう「軍拡競争」のパターンに陥ることがよくあるのです。
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