(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

『深夜特急』の残影を探して(12)ローマ

週末のCofee Breakです。

スペイン広場を通り抜けた沢木さんは、ヴァチカンまで歩きます。

 

    私は広場の前の通りを横切り、その正面に延びている狭い通りを進むことにした。通りの両側には、びっしりと店が並んでいる。レストランもあるが、多くは衣服をはじめとする貴金属や皮革などの高級ブティックだ。名前を読んでいくと、ブランド名にうとい私でも知っているような有名な店ばかりである。高級の上にさらに超という字のつくような店が多いところを見ると、ここがローマの目抜き通りなのだろう。

    やがて、バスの往来の激しい広い通りに出る。そこを突っ切り、真っすぐ行くと、宮殿のような建物が見えてくる。壁の標識にボルゲーゼとある。なおも歩いていくと、大きな河のほとりに出た。テヴェレ河に違いない。水は濁っているが、その土壁のような色は、冬枯れの街にふさわしいといえなくもなかった。

    対岸に円筒形の奇妙な建物が見える。そしてそのさらに向こうに大きな円屋根が見える。たぶん、サン・ピエトロ寺院だろう。どうやら私はヴァチカン市国まであるいてきてしまったらしい。

 

    両側に天使の像が並ぶ橋を渡り、大通りを直進してサン・ピエトロ寺院の前に出る。正面から見ているだけの時にはさほど感じなかったが、柱廊に囲まれた広場に一歩足を踏み入れた瞬間、その壮大さに圧倒された。確かに数十万人が集まれるといわれても納得せざるをえない規模の大きさだった。

沢木耕太郎著『深夜特急6  南ヨーロッパ・ロンドン』新潮文庫、2020年、第十六章「ローマの休日  南ヨーロッパI」)

 

スペイン広場から「正面に延びている狭い通り」は、「コンドッティ通り」(Via dei Condotti)でしょう。

これを進むと「バスの往来の激しい広い通り」と書かれている「コルソ通り」(Via del Corso)にぶつかり、これを突っ切ると、通りの名前は「フォンタネッラ・ディ・ボルゲーゼ」(Via della Fontanella di Borghese)に変わります。

「宮殿のような建物」と書かれている「ボルゲーゼ宮」(Palazzo Borghese)の横を通り、「ボルゲーゼ広場」(Piazza Borghese)を過ぎると、通りの名前は「クレメンティーノ通り」(Via del Clementino)、さらに「モンテ・ブリアンツォ通り」(Via di Monte Brianzo)と変わり、やがてテヴェレ河岸に出ます。

「対岸に円筒形の奇妙な建物」というのは、「サンタンジェロ城」(Castel Sant'Angelo)でしょう。

「両側に天使の像が並ぶ橋」と書かれている「サンタンジェロ橋」(Ponte Sant'Angelo)をわたり、「コンチリアツィオーネ通り」(Via della Conciliazione)を進むと、「サン・ピエトロ寺院」(Basilica di San Pietro)の正面、「パーパ・ピオ XII 広場」(Piazza Papa Pio XII)に出ます。

 

テヴェレ河岸(「サンタンジェロ城」の対岸のあたり)から、北東を見た眺め。

立派な建物は「最高裁判所」(Corte di Cassazione)。

 

天使の像が並ぶ「サンタンジェロ橋」。

正面に見える円筒形の建物が「サンタンジェロ城」。

 

サンタンジェロ橋から、西を見た眺め。

 

「パーパ・ピオ XII 広場」から見た「ローマ教皇庁」(ヴァチカン)。

 

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