最近「FIRE」という言葉をよく聞きます。
これは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとったもので、「経済的自立と早期リタイア」、つまり「資産を築いて、生活のための仕事にしばられず、自由に生きよう」ということです。
投資の最終目標を「FIRE」にしている人もいるでしょう。
「FIREが人生の幸せにつながるか」というような議論も、よく目にします。
勤労者の7割が「FIREしたい」と思っている一方、いったんFIREしたものの、資金不足や「退職うつ」で仕事に戻る人もいるようです。
心理学者のマクレランド( David McClelland)は、人間が満たしたい欲求として「達成欲求」( need forachievement)、「親和欲求」(need for affiliation)、「権力欲求」(need for power)の 3 つを挙げました。(*1)
達成欲求は「チャレンジしたい」「成功したい」「達成感を味わいたい」という欲求です。
親和欲求は「仲よくしたい」「好かれたい」「楽しくやりたい」という欲求。
権力欲求は、「影響力をもちたい」「高い地位につきたい」「支配したい」という欲求です。
「達成欲求」のなかには個人で追求できるものもありますが、「親和欲求」や「権力欲求」は人とのかかわり、「集団」「組織」「社会」のなかで満たされるものでしょう。
早期リタイアで職場や社会とのつながりを失うと、孤独感にさいなまれるのかもしれません。
FIREすると生活環境が大きく変わりますから、適応障害ということもあるのでしょう。
そのあたりは、人それぞれだと思います。
実際にFIREするかはともかく、ある程度の資産があれば、人生の選択肢が広がったり、心に余裕ができる、ということはあるのではないでしょうか。
*1 Jones, Gareth R. and Jennifer M. George, Essentials of Contemporary Management Sixth Edition, Irwin Professional Pub, 2014, p.307;デイビッド・C・マクレランド著、梅津祐良・薗部明史・横山哲夫訳『モチベーション』(生産性出版、2005 年)
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