北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利 豪)と、経営学者のコーキ(佐藤 耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。
* FMりべーる「クラシックにくびったけ」
https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/
https://clatake837.amebaownd.com/
アサリ ショルティ(Georg Solti、1912~1997年)も、ハンガリーの出身だね。
コーキ ショルティのシカゴ交響楽団は、金管がよく鳴って、パワフル。
叙情性や情感はあまり感じないけど、壮大で劇的な演奏をする。
1983年録音の「新世界より」も、そんな印象。
アサリ ショルティに情感や叙情性を求めてはいけないのかもね。
ショルティ指揮シカゴ交響楽団(1983年)のCD裏ジャケット。
アサリ ハンガリーの指揮者のなかでも、「新世界」交響曲でとくに名高いのはケルテス(Istvan Kertesz、1929~1973年)じゃないかな。
ウィーン・フィル(1961年)との演奏は、このうえなく美しい。
当時30歳そこそこの若手とは、とても思えない。
コーキ 劇的な表現で、世界最高ともいわれるウィーン・フィルをよく鳴らしているね。
独特の雰囲気で、力強い。
ドヴォルザークらしいかは別として、ひとつの完成された演奏。
「新世界より」を聴き慣れた人なら、この演奏の第4楽章で「あれ?」と思うはず。
手元のスコア(全音楽譜出版社、2016年)では、92~105小節まで、金管がソ(G)とレ(D)の音で動くようになっている。
第4楽章、92~94小節のトランペットの譜面。
ケルテスのウィーン・フィルでは、上の楽譜のように演奏している。
マタチッチのNHK交響楽団(1975年)や、後で出てくるコンドラシンのウィーン・フィル(1979年)も同じ。
だけど(経緯は知らないけど)大多数の演奏は、この部分を3度高いシ(H)とファ♯(Fis)で演奏している。
私には、多数派のほうが自然に聴こえる。
ケルテスも、ロンドン交響楽団との録音(1966年)では多数派のように演奏している。
アサリ 同じケルテスでもロンドン響では違うってことは、ウィーン・フィルの楽譜がそうなっているのかな。
コーキ 実際のところはわからないけど、コンドラシン盤もウィーン・フィルだし、そんな気もするね。
ケルテス指揮ウィーン・フィル(1961年)のCD裏ジャケット。
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