前回の続きです。
近年、コンテンツ(文章、音楽、映像などの作品)が潤沢になってきた(多くのコンテンツを低価格で入手できる)ことを確認しましょう。
音楽を例にとります。
日本で最初のLPレコードは、1951年に「日本コロムビア」から発売されたそうです(ベートーヴェン「交響曲9番」、ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団、1949年録音)。
写真は「日本コロムビア」のウェブサイトから。
https://columbia.jp/company/corporate/history/
このレコード1つの価格は2300円だったようです。
これは(1951年の消費者物価は、2020年の1/7くらいなので)今の16000円くらいに当たります。
1982年には、初めてのCDが日本で発売されました。
当時のクラシック音楽のCDは、3800円だったようです。
これは(1982年の消費者物価は2020年の4/5くらいなので)今の4750円くらいに当たります。
かつての音楽コンテンツは、「希少」(scarce、不足しがち)で価格が高かったのです。
多くの人は、やっとの思いで購入したレコードやCDを繰り返し聴き、じっくりと楽しんだはずです。
やがて、レンタルCDを安く借りられるようになります。
さらに近年のサブスク音楽配信サービス(「Apple Music」「Spotify」「Amazon Music」など)では、月額1000円ほどで、1億曲もの音楽を楽しめるようになりました。
映像についても、今ではサブスク動画配信サービス(「Amazon Prime Video」「Netflix」「Hulu」など)があり、「YouTube」「Tver」「Abema」などでは、多くの映像コンテンツを無料で視聴できます。
前回お話ししたように、経済的には「潤沢な資源を多用し、希少な資源を節約する」のが合理的です。
コンテンツが潤沢になり、相対的に時間が希少になると、「タイパ」(時間効率)が重視されるのは、しごく当然にも思えます。
見たい(聴きたい、読みたい)コンテンツは次から次へと現れるのに、時間は限られているからです。
近年はインターネットやスマホの登場で「情報」が潤沢になり、これを活用して、希少な時間や人材や資源を節約する取り組みが盛んです。
「情報革命」「IT革命」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」など、流行りの表現は変わりますが、その本質は一貫しているのかもしれません。
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