(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

時は金なり?(10)「価格メカニズム」

6回ほど前に、最近は「タイパ」(タイム・パフォーマンス、時間効率)が重視されており、その代表的な例は「動画の倍速再生」だという話をしました。

なぜ今の時代、「タイパ」が求められるのでしょうか。

 

すぐに思いつくのは「動画のようなコンテンツが潤沢になり、相対的に時間が希少になったのではないか」ということです。

経済では「潤沢な資源を多用し、希少な資源を節約する」のが合理的だからです。

私たちは「価格」に反応することで、無意識のうちにそういう行動をとります。

 

経済学では(例外も多々ありますが)「市場にまかせれば、世の中はうまくいく」ことになっています。

(いろいろな情報が価格に集約されるので)「人々は価格を見て、自分に有利な行動をとるだけで、貴重(希少)な資源は社会のなかで最適に配分される」というのです。

 

たとえばキャベツが不作で、社会のなかで不足するとします。

価格は需要と供給で決まりますが、(需要は変わらずに)供給が減ると、キャベツの値段は上がります。

価格が上がると、それほどキャベツを必要としない人は「高いからキャベツはやめておこう。別の食材で作れるメニューにしよう」と考えて、キャベツをあきらめます。

「どうしてもキャベツがないと困る」という人だけが、高いお金を払って買うことになります。

 

このように人々が価格を見て、自分の都合で行動するだけで、必要性の高い人へ優先的にキャベツが行きわたるのです。

政府が介入して、配分をコントロールする必要はありません。

このような「市場価格によって、需要と供給が自動的に調整される」しくみを「価格メカニズム」(price mechanism)といいます。

 

次回へ続く

 

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