夏の風物詩「かき氷」が好きだった人は多いでしょう。
「イチゴ」「メロン」「レモン」など、好きなシロップを選んだのも懐かしい思い出です。
ところが最近になって、(少なくとも一部のメーカーでは)「シロップの味はどれも同じで、香料と着色料が違うだけ」だという事実が話題になりました。
シロップ・メーカーの担当者は、次のように言います(*1)。
同じ味のシロップを違う味のように感じるのは、脳の錯覚だともいわれています。
シロップを見ると人はまず、視覚的に赤はイチゴ、緑はメロンと思い込みます。
そこにそれっぽい香りが加わることで、「赤はイチゴの味がする、緑はメロンの味がする」と判断してしまうようです。
人は舌だけでなく、見た目や香りなどの情報を組み合わせて、味を判断しているんですね。
これは、前々回にお話しした「クロス・モダリティ」でしょう。
私たちには「直感的なイメージに合っていれば、あまり疑わずに受け入れる」という心理もあります。
たとえば「ワカメを食べると髪が増える」といわれます。
これはおそらく科学的には根拠のない迷信ですが、「ワカメ」の見た目が「髪の毛」を連想させるので、イメージとしては受け入れやすいのでしょう。
「天然素材」「天然成分」には安心感をもち、「合成保存料」「化学調味料」には拒否反応を示す人も多いようです。
しかし天然成分でも、フグやトリカブトには猛毒があります。
化学合成で、多くの人を救う医薬品もあります。
これも「主観的なイメージ」と「客観的な実態」が、必ずしも一致しない例かもしれません。
*1 Domani「衝撃! 色とりどりのかき氷、実は同じ味だって知ってた!?」2021 年 7 月 14 日
https://domani.shogakukan.co.jp/552205
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