前回までの話は、「小さな価値のために、大きな価値を犠牲にしてはいけない」ということでもあります。
「小さな費用を節約するために、大きな効果を捨ててはいけない」「大きな効果のためなら、小さな費用を惜しんではいけない」とも言えます。
「ホリエモン」の愛称で知られる起業家の堀江貴文さんは、その半生を綴った『我が闘争』という本のなかで、ある社長から言われたアドバイスを紹介しています。
その時もらったアドバイスとして今でもはっきりと覚えていることがある。
経営方針の説明の流れで、できるだけ経費を使わずに、移動も電車を使うと話したところ、「それはダメだ。タクシー代をケチるような仕事をしてちゃダメなんだ」
と厳しい口調で言われた。
「タクシーに乗っている間も、仕事をしたり電話かけたりできるだろう」
なるほどそうかもしれない。電車に乗る時間があるくらいなら、タクシーに乗って仕事をした方が効率がいい。もっと大きく稼いでいくことを考えろという意味もあるのだろう。
このアドバイスはその後もずっと僕の仕事のやり方の根本に影響することになる。
費用を考えれば、タクシーよりも電車のほうが安上がりです。
しかし「費用だけでなく、効果とのバランス、『費用対効果』を考えなければならない」ということなのでしょう。
費用が安くても、混んだ電車に立って乗るのは疲れるし、仕事もしにくいでしょう。
長距離だとタクシーは難しいかもしれませんが、グリーン券や指定券に費用をかければ、ゆったり座って仕事ができるかもしれません。
費用を上まわる効果があるのなら、そうする方がよいのでしょう。
「安物買いの銭失い」という格言があります。
「安いものは品質が悪く、修理や買い替えの費用を考えると、結局は損をする」ということです。
これも費用だけで判断することを戒めているのでしょう。
堀江さんの話にも表れていますが、「費用対効果」は経営の基本になる考え方です。
「効率」や「生産性」も、要するに「費用対効果」のことです。
「小さな費用で、大きな効果をあげる」のがよいのです。
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