(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

新著の内容紹介(4)見えていても 見えない?(非注意による見落とし、変化の見落とし)

新著『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』の内容紹介。

今回は、「非注意による見落とし」と「変化の見落とし」のお話です。

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    心理学者のシモンズ(Daniel Simons)は、いくつかの実験映像をYouTubeで公開しています。ぜひ動画を見てからお読みください。


    最初に紹介したい動画(約2分)は、「白い服の人がボールをパスする回数を数えてください」というものです。映像には黒い服の人も出てきますが、白い服の人だけを見て、パスを数えなければなりません。

 

www.youtube.com


    実はこのビデオでは、途中で黒いゴリラが現れます。ところが、白い服に集中して、黒い服を無視するようにしていると、なかなかこのゴリラに気がつきません。この動画を初めて見る人の約半数は、ゴリラを見落とすそうです。
    この現象を「非注意による見落とし」(inattentional blindness、非注意性盲目)といいます。人間の注意力は限られているので、ひとつのこと(白い服の人のパス)に集中すると、それ以外のこと(黒いゴリラ)には気がまわらないのです。


    2つめの動画(約2分)では、老紳士が、男性に道を聞かれます。

 

www.youtube.com

 

    道を教えている最中に、大きなドアをもった作業員が2人のあいだを通り抜けます。ドアが邪魔をするあいだに、道を尋ねていた男性は、別の男性に入れ替わります。
    相手の顔も服装も変わったのですが、ドアが通り過ぎたあと、老紳士は何事もなかったかのように道案内を続けます。

    この実験では約半数の人が、相手が変わったのに気づかないそうです。心のどこかで「あれ?」とは思っても、とりあえずは道案内を優先するのかもしれません。

 

    3つめの動画(約1分)は、次のようなものです。

 

www.youtube.com

 

    実は途中で場面が切り替わるとき、主人公は別人に入れ替わり、髪型や服装も変わっています。しかし、ほとんどの人は、この変化に気づきません。
    2つめと3つめの動画のように、ふつうは起こらないような変化に気づかないことを「変化の見落とし」(change blindness、変化盲)といいます。

 

    スリや詐欺師は、人間の「認知資源」(cognitive resources)が限られていることを利用して、悪事をはたらきます。
    「 世 界 最 高 の ス リ 師 」と 呼 ば れ る ロ ビ ン ス(Apollo Robbins)は、「TED」でその技術を実演しています。
    彼は「ミスディレクション」( misdirection、注意をそらす)のテクニックを駆使して、「非注意による見落とし」と「変化の見落とし」を意図的に誘発します。
    とても興味深いので、ぜひ映像をご覧ください。

 

www.ted.com

 

 

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