(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

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整理・整頓のコツは?: 最長未使用時間

    今回も、著書のボツネタ(前回のつづき)です。

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    整理・整頓のコツは3つあります。①「モノを減らす」、②「置く位置を決める」、③「使ったものはもとへ戻す」ということです。

    ①「モノを減らす」ですが、モノが多いほど、整理・整頓して収納するのが難しくなり、探すのにかかる時間も増えます。10年ほど前から「断捨離」という言葉が流行りましたが、めったに使わないものは、思い切って処分する勇気も必要でしょう。

    捨てる基準のひとつは、「前回使ったのはいつか」ということでしょう。たとえば1年、あるいは5年くらい使っていなければ処分する、といった考え方です。

    コンピュータでキャッシュ・メモリが一杯になったとき、どのデータから捨てるかを判断する基準に「最長未使用時間」(Least Recently Used、LRU)というものがあります[1]。最も長い時間、使用されていないデータから順に、捨てるということです。長く使っていないものは、今後も使う可能性が小さいと判断できるのです。

    もうひとつの基準は、再調達のコストです。二度と手に入らない、かけがえのないものなら、捨てるのに慎重にならざるをえません。いざとなれば簡単に、低コストで入手できるものなら、気軽に処分してもよいでしょう。

    できるだけ汎用品で済ませるというのも、モノを減らすコツです。便利そうに思えても、特殊な用途でめったに使わないモノをため込むと、収納したり探したりする手間が増えて、かえって非効率になります。ここでも、判断基準は費用対効果です。保管や探索の費用に対して、使用頻度(効果)が少ないモノを持ってはいけません。

    たとえば、毎日たくさんの封筒を開ける仕事なら、専用のレター・オープナーを使ってもいいかもしれません。自動で数十枚の封筒を次々と開封できるようなものもあります。しかし1日に数通くらいなら、普通のハサミなどで十分でしょう。

    ホチキスの針を大量にはずす仕事なら、専用のリムーバーを用意してもいいかもしれません。そうでなければ、ホチキスに付属のものや、カッターなどでも代用できるでしょう。

    家庭の料理なら、使う頻度が一定以上になるまでは、エッグカッター(卵切り器)やスクイーザー(レモン絞り器)のような専用の道具をそろえるよりも、包丁や手のような汎用品を使う方が効率的でしょう。

 

[1] ブライアン・クリスチャン&トム・グリフィス著、田沢恭子訳『アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール』(早川書房、2019年)、4、「追い出しと千里眼 

 

(次回へつづきます)

 

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