新著『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング」』、内容紹介の4回目です。
今回は「対比効果」と「文脈効果」のお話です。
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「対比効果」(2-1)で、効能を大きく見せるという手法もよくつかわれます。
いろいろな商品の広告で「レタス○個分の食物繊維」や「レモン○個分のビタミンC」という表現がつかわれます。
しかし、なぜレタスやレモンなのでしょうか。
まず「参照点」(2-1)にするわけですから、誰もがよく知っているものでなくてはなりません。
また、対比効果で商品の効能を大きく見せるわけですから、「イメージとしては食物繊維やビタミンCがたくさん入っていそうで、実際にはあまり入っていない」ものが最適になります。
そうして選ばれたのが、レタスやレモンなのでしょう。
まわりの状況で、見え方が変わる
人々は、さまざまな情報を総合的に解釈して判断をします。
「客観的には同じものが、まわりの状況によって主観的には違って感じられる」ことを「文脈効果」(context effect)といいます。
図6(2-1)の対比効果も、文脈効果の一種でしょう。
文脈効果の例として、図8(*1)のようなものがあります。
上の図は、縦に読めば「A B C」、横に読めば「12 13 14」に見えます。
下の図では、上の行は「CAT」、下の行は「THE」と読めます。
不思議なようですが、私たちは無意識のうちに周囲のさまざまな情報を読み取って、解釈や状況判断をしているのです。
(*1)「錯思コレクション 100」https://www.jumonji-.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_d/d_01.html
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