新著『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』の内容紹介です。
今回は「文脈効果」のお話を。
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下の図は、「ドレス問題」(1-1)のしくみを解説したものです。
*「ぶどう茶」(@budoucha)さんのツイート画像(2015 年 2 月 28 日)から抜粋。
https://twitter.com/budoucha/status/571331880533929984
客観的にはまったく同じ色も、周囲の描き方によって、主観的には違って感じられます。
ドレス問題では「明るく黄色っぽい光が当たっている」と想定して見れば、「青と黒」に見えます。
「青っぽい陰のなか」だと思えば、「白と金」に見えます。
おそらく視細胞や脳の遺伝的な特徴に加えて、育った環境や経験によって、人それぞれ想定する状況が違うのでしょう。
同じものが、違って感じられる「文脈効果」
「ドレス問題」や「対比効果」(1-4)のように「客観的には同じものが、まわりの状況(文脈)によって違って感じられる」ことを「文脈効果」(context effect)といいます。
下の図は、文脈効果の例です。
*ダニエル・カーネマン著、村井章子訳『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』(早川書房、2014 年)、第 7 章「結論に飛びつくマシン―自分が見たものがすべて」図 6
多くの人は、左側は「A B C」、右側は「12 13 14」に見えるのではないでしょうか。しかしよく見ると「B」と「13」は、まったく同じように描かれています。
私たちは周囲の状況から、左側は「アルファベット」の文脈、右側は「数字」の文脈でとらえます。だから、客観的には同じものが、主観的には違って見えるのでしょう。
日本語には「同音異義語」がたくさんあります。
たとえば「きかん」と言われたら、「期間」「帰還」「器官」など、いろいろな候補から、相手の意図を推測しなければなりません。
私たちは話の文脈をとらえているので、そうそう誤解することなく会話できるのです。
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