アイデアというか、「気になっていたこと」「考えていたこと」の解決策をパッと思いつくことがあります。
外山滋比古さんの『思考の整理学』(筑摩書房、1983年、II「寝させる」)に書いてあったのですが、むかし中国の欧陽修という人は、「三上」でアイデアが浮かぶことが多いと言ったそうです。
「三上」というのは、「馬上」(馬の上)、「枕上」(枕の上)、「厠上」(「しじょう」、トイレの上)です。
たしかに私も、交通機関での移動中や、クルマの運転中(馬上)、ちょっと眠れなくて、あるいは布団から出たくなくて、横になって思いをめぐらすとき(枕上)、トイレに座っているとき(厠上)に、アイデアがよく出ます。
今ではたいていスマートフォンを持っているので、すぐにメモ・アプリを起動して、メモをとることができます。
外山さんは、「三中」もアイデアが出やすいと言います(『思考の整理学』V「三上・三中」)。
これは「無我夢中」「散歩中」「入浴中」です。
「散歩中」や「入浴中」にアイデアが出やすいのも、多くの人が実感しているのではないでしょうか。
外山さんは、次のように書いています。
ものを考えるには、ほかにすることもなく、ぼんやり、あるいは、是が非でもと、力んでいてはよくない、というのが三上の考えによっても暗示される。
いくらか拘束されている必要がある。ほかのことをしようにもできない。しかも、いましていることは、とくに心をわずらわすほどのこともない。心は遊んでいる。こういう状態が創造的思考にもっとも適しているのであろう。
(『思考の整理学』V「三上・三中」)
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