どんな文章がよいかは、好みや目的によるでしょう。
私は「わかりやすい」文章を心がけています。
池上彰さんは、次のように書いています。
「わかりにくい文章を書いている人は、その物事についてよくわかっていない」と考えています。自分でも内容を十分に理解できていないから、文章が整理できない。結果として、読者にとってもわかりにくい文章になっているんだと思うんですね。
(池上彰・竹内政明著『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』朝日新聞出版、2017年)
まずは「よくわかっていることを書く」「ちゃんと理解してから書く」のが大切なのでしょう。
文章の「費用対効果」を考える
私は、文章でも「費用対効果」が重要だと思います。
自分の意図を正確に伝えようとすると、修飾語や「ただし書き」が多くなります。
しかし、それだと読者にとっては「読みにくい」「読むのに時間がかかる」文章になります。
言葉をつけ加えるときは、「プラスとマイナス」「費用対効果」を考えるべきだと思います。
あってもなくても大差のない言葉は「削るべし」でしょう。
「有隣堂 新百合ヶ丘エルミロード店」さま、2022年6月11日
読者の脳に、負担をかけない
わかりやすい文章の基本に「文章は短く」というのがあります。
1つの文を読むあいだ、読者は前に読んだ内容を記憶しながら、次の内容を理解して、全体の意味を総合します。
人間の短期記憶(作業記憶)は限られているので、覚えておく量が多くなると、負担やストレスが大きくなります。
こまめに文章を分ければ、読者はあちこちで一息つけるので、楽に読むことができます。
同じ理由で、段落も短いほうが、わかりやすいはずです。
「切れ目」を見つけやすく、「区別」しやすく
「切れ目」を探したり、「区別」するときにも、脳に負担がかかります。
段落の切れ目で1行を空けたり、「見出し」のフォントを変えるのも、切れ目や区別をはっきりさせるためでしょう。
たとえば「作業記憶」「認知負荷」よりも、「作業の記憶」「認知の負荷」のほうが、わかりやすいはずです。
また、「わかりやすいぶんしょうのきほん」よりも、「わかりやすい文章の基本」のほうが読みやすいでしょう。
「漢字」「ひらがな」「カタカナ」の変わり目が、意味の切れ目と一致するほうがよいのです。
私は自分で「一番好きな」と書いてから、「一番、好きな」「いちばん好きな」「最も好きな」に直そうかと、迷うことがあります。
漢字や「ひらがな」が続いて切れ目がわかりにくいのは、個人的にどうも気になります。
(次回へ続きます)
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