H・ファヨール著、佐々木恒男訳『産業ならびに一般の管理』(未来社、1972年)。
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管理の要素の3つめ、「命令」については、次のように書かれています。(p.166-167)
(3)命令
● 社会体が構成されれば、問題はそれを機能させることである。これが命令の使命である。
● 命令の目的は企業の利益のために、その分担する単位体を構成している担当者から可能な最大の利益を引き出すことにある。
● 命令の役目を負う責任者に必要とされるもの :
① 従業員についての深い知識: 階層組織の段階がいかなるものであれ、責任者はごく少数の部下、通常六名以下の部下に対してしか命令してはならない。ただ、職長あるいはそれに等しいものは、作業が簡単なものである時には、時として二十人あるいは三十人に直接命令する。
② 無能力者の排除: 単位体を優れた機能状態に維持するためには、何らかの理由で自己の職務を十分に遂行することができなくなったすべての担当者を、責任者は排除するか排除するように提案しなければならない。それは常に重大で、しばしば難しい絶対的な義務である。
③ 企業と担当者を結びつける約定についての知識: 責任者は約定の履行に注意せねばならない。このことは企業の利益をその担当者から守り、担当者の利益をその雇主から守るという二重の役割を責任者に課す。責任者は約定についての極めて完全な知識・深い義務感・公正を必要とする。
④ 良き模範を示すこと:責任者が勤勉の模範を示すとき、敢えて遅れをとるものは誰もいない。責任者が活動的で勇気があり献身的であるとき、人々は彼を手本とし、そして彼がうまく振舞うすべを心得ているならば、彼は仕事を魅力あるものにすることができる。
⑤ 一覧表を用いて社会体の定期的な検査を行うこと。
⑥ 会議に主要な部下を招集し、指揮の一元性と諸努力の集中を準備すること: 会議において、責任者は計画を説明し、彼ら各々の考えを取りまとめ、決定を行い、彼の命令が理解されること、各人が命令の執行において担当せねばならない役割を知ることを確実にすることができる
⑦ 末梢的な事柄に注意を奪われるがままにならないこと: 上級責任者は研究に必要な思考と行動の自由、大規模な事業の指揮と統制のための時間をとっておくように努めねばならない。上級責任者は、自ら実行するように義務付けられていないすべての仕事を、部下と参謀に委譲せねばならない。
⑧ 従業員の間に活動性・創意・献身・団結をみなぎらせるように注意すること。
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