H・ファヨール著、佐々木恒男訳『産業ならびに一般の管理』(未来社、1972年)。
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管理の要素の2つめ、「組織」については、次のように書かれています。(p.97-127)
ここに出てくる「責任者は一般に四人あるいは五人以上の直接の部下を持たない」という原則は、「管理の幅」(span of control、統制の範囲)としてよく知られています。
現代の組織では、かなり広い「管理の幅」をもつことが多くなっています。
(2)組織
● 企業を組織することは、原料・設備・資本・従業員といったその企業の活動に有用なものすべてを備えることである。
● 社会体が遂行すべき管理使命:
① 活動計画が熟考して準備され、断固として実行されるように注意すること。
② 社会的組織と物的組織が企業の目的・資源ならびに必要に適合するよう注意すること。
③ 唯一の適切で力強い指揮を確立すること。
④ 諸活動を集中し、諸努力を調整すること。
⑤ 平明で明瞭・的確な決定を明示すること。
⑥ 適切な採用に努めること、すなわち各部門は有能で活動的な人間をその指導者とし、各担当者はその仕事を最もよく遂行し得るところに配置されなければならない。
⑦ 権限をはっきりと規定すること。
⑧ 創意と責任の嗜好を助長すること。
⑨ 果たされた仕事に対して公正に手際よく報いること。
⑩ 過失と過ちに対して制裁を加えること。
⑪ 規律を遵守させること。
⑫ 個人的な利益を企業の利益に従属させるように注意すること。
⑬ 命令の一元性に特別の注意を払うこと。
⑭ 物的秩序と社会的秩序に注意すること。
⑮ すべてを統制すること。
⑯ 規則制定・官僚的形式主義・繁文縟礼等々の弊害と闘うこと。
社会体の構成
● 責任者は一般に四人あるいは五人以上の直接の部下を持たない。
● 樹木は「天に届くまで大きくはならない」。社会体も同じようにその限界を持つ。それは前者の場合には樹液の不十分な上昇力であり、後者の場合には不十分な管理能力である。
● 容易には凌駕し得ないある程度の大きさから先は、併置による集団は強力な共同体を構成し、最小の管理的努力をもって強力な個人あるいは集団を発展させる手段である。
● 参謀の仕事 :
① 通信・接待・研究・書類の準備等、責任者の日常的な仕事への協力。
② 連絡と統制。
③ 計画の作成・計画の調和といった将来の研究。
④ 改善の探求。
● 企業の上級責任者に望まれる資質と知識 :
① 健康と肉体的なたくましさ。
② 知性と知的なたくましさ。
③ 道徳的な資質、すなわち思慮に富み確固とした辛抱強い意思・活動力・気力、そして必要な場合には大胆さ・責任をとる勇気・義務感・全体的な利益に対する感心。
④ 高度の一般教養。
⑤ 管理能力。
⑥ すべての本質的な職能についての一般的な知識。
⑦ 企業の特徴的な専門的職業についての可能最大限の能力。
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