『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』(シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳、文藝春秋、2014年)
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「集団主義」の起源については、次のように書かれています。
個人主義の重視が、一般に啓蒙主義運動を単一の起源とするのに対し、集団主義は長い年月のうちにさまざまな形をとって表れた。その最初のものが、数千年前にアジアで、基本的に西洋とは無関係に発達し、今なお大きな影響力を誇る、義務と宿命を重視する文化的風土である。ヒンドゥー教と、そこから派生したさまざまな宗教、たとえば仏教、シーク教、ジャイナ教などは、何らかの形のダルマ[法]とカルマ[業]をことに重視する。ダルマが、所属するカーストや宗教によって定められた一人ひとりの義務であるのに対し、カルマは死さえも超越する、普遍的な因果律である。
もう一つの重要な影響に、儒教がある。儒教は、中国に源を発し、後に東南アジアや日本にも広まった、古くからの文化的慣習を法典化したものだ。孔子は『論語』にこう書いている。
「世の中には二つの大きな定めがある。一つは天命、もう一つは忠だ。息子が親を愛するのは天命である。これをかれの心から消し去ることはできない。奴隷が主君に奉仕するのは忠である。どこに行っても主君から逃れることはできず、天と地の間のどこにも逃げ場はない」
このような逃れられない関係を、できる限り円満なものにするのが、理想とされた。この種の集団主義は、今なお東洋で非常に重視されている。東洋の文化に属する人は、人生を個人の意向というよりは、義務という観点から理解していることが多い。(pp.71-72)
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