(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

読書メモ:『選択の科学』(4)

選択の科学  コロンビア大学ビジネススクール特別講義』(シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳、文藝春秋、2014年)

*****

集団主義」の起源については、次のように書かれています。

 

    個人主義の重視が、一般に啓蒙主義運動を単一の起源とするのに対し、集団主義は長い年月のうちにさまざまな形をとって表れた。その最初のものが、数千年前にアジアで、基本的に西洋とは無関係に発達し、今なお大きな影響力を誇る、義務と宿命を重視する文化的風土である。ヒンドゥー教と、そこから派生したさまざまな宗教、たとえば仏教、シーク教ジャイナ教などは、何らかの形のダルマ[法]とカルマ[業]をことに重視する。ダルマが、所属するカーストや宗教によって定められた一人ひとりの義務であるのに対し、カルマは死さえも超越する、普遍的な因果律である。
    もう一つの重要な影響に、儒教がある。儒教は、中国に源を発し、後に東南アジアや日本にも広まった、古くからの文化的慣習を法典化したものだ。孔子は『論語』にこう書いている。
    「世の中には二つの大きな定めがある。一つは天命、もう一つは忠だ。息子が親を愛するのは天命である。これをかれの心から消し去ることはできない。奴隷が主君に奉仕するのは忠である。どこに行っても主君から逃れることはできず、天と地の間のどこにも逃げ場はない」
    このような逃れられない関係を、できる限り円満なものにするのが、理想とされた。この種の集団主義は、今なお東洋で非常に重視されている。東洋の文化に属する人は、人生を個人の意向というよりは、義務という観点から理解していることが多い。(pp.71-72)

 

⇒「経営学」の記事一覧はこちら

⇒  ブログの概要(トップ・ページ)はこちら

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

宣伝会議」さまの実践講座に登壇しました。

www.sendenkaigi.com

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学内容紹介

◆  「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にノミネートされました

◆  ライザップの瀬戸健社長が、『週刊文春書評をお書きくださいました(2021年10月28日号、p.121)

単行本、聴く本(オーディオブックAudible)、電子書籍KindleKoboKinoppyhontoDoly

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「マーケティング内容紹介

◆  「二子玉川 蔦屋家電」さまで、マーケティングの月間ランキング1位になりました(2022年5月、6月、9月)。

◆  『日刊工業新聞』さまに書評が掲載されました(2022年2月7日)

f:id:Management_Study:20220112215132j:plain 

単行本、聴く本(オーディオブックAudible)、電子書籍KindleKoboKinoppyhontoDoly

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」内容紹介

◆  『PRESIDENT』2023年2.17号の「職場の心理学」のコーナーで、「絶対に失敗が許されない人の「意思決定力」養成法」と題した著者の記事が掲載されました(p.106-109)。

単行本、聴く本(オーディオブックAudible)、電子書籍KindleKoboKinoppyhontoDoly

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆