(経営学者)佐藤 耕紀 のブログ

経営学の紹介 & Coffee Break(写真、紀行、音楽など)

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『深夜特急』の残影を探して(3)香港

週末のCofee Breakです。 香港での3日目、沢木さんは「スター・フェリー」で九龍から香港島へ向かいます。 彌敦道から梳士巴利道に出て、ペニンシュラやYMCAの前を通って少し行くと、埠頭が見えてくる。そこに九龍と香港島とを結ぶフェリーが発着するタ…

「補完性」と「キャプティブ価格」

前回は「スイッチング・コスト」と「ロック・イン」の話をしました。 お客をロック・インして長期的な利益を大きくする「キャプティブ価格」(captive pricing)という戦略があります。 「キャプティブ」(captive)は「囚われた、監禁された」という意味で…

『深夜特急』の残影を探して(2)香港

週末のCofee Breakです。 香港での旅の始まりについて、沢木さんは次のように書いています。 「やがて書くことになる紀行文」というのは、もちろん『深夜特急』のことでしょう。 それはやがて書くことになる紀行文にもあるとおり、本当にまったく訳のわから…

書店探訪(15)旭川、札幌

今回は、帰省で訪れた故郷・北海道の書店さま。 (写真はいずれも、2023年の3月下旬です) 旭川駅から歩いて2分ほど、「フィール旭川」の5階にある「ジュンク堂書店 旭川店」さま。 「今さら経営学」、「今さらマーケティング」、「今さら意思決定」を並べて…

『深夜特急』の残影を探して(1)香港

週末のCofee Breakです。 私が「海外を旅したい」と思うようになったのは、沢木耕太郎さんの『深夜特急』という紀行小説を読んだのがきっかけでした。 『深夜特急』はもともと産経新聞で連載され、私が大学生のころ(最初の2冊が1986年、3冊目が92年)に新潮…

先手必勝? 「先行者優位」と「ネットワーク効果」(3)「スイッチング・コスト」と「ロック・イン」

先行者優位を生む要因のなかでも、近年は「スイッチング・コスト」(switching cost、乗り換え費用)による「ロック・イン」(lock-in、閉じ込められる、ほかの商品に乗り換えられなくなる)が注目されます。 前々回お話しした「QWERTY」配列の例で考えまし…

アジア旅行・夏(25)バンコク

週末のCofee Breakです。 いよいよ「バックパッカーの聖地」といわれるカオサン・ロードへ。 第一印象としては、どこにでもありそうな雑踏です。 じっくりと探訪すれば、何かが見えてくるのかもしれません。 写真を撮らせてくれた、蛇使いのおじさん。 結構…

先手必勝? 「先行者優位」と「ネットワーク効果」(2)

前回の復習ですが、「商品やサービスの利用者が多いほど、その価値や魅力が大きくなる」ことを「ネットワーク効果」といいます。 名前のとおり、この効果はもともとコミュニケーション・ネットワークの世界で有名になりました。 たとえば、世界で自分だけが…

アジア旅行・夏(24)バンコク

週末のCofee Breakです。 ふたたびチャオプラヤー・エクスプレスに乗り、大河をさかのぼって「プラ・アーティット」(Phra Arthit)という船着き場へ向かいました。 川沿いの水上家屋と、遠くに見える高層ビルが対照的です。 プラ・アーティットの船着き場か…

先手必勝? 「先行者優位」と「ネットワーク効果」(1)

前回は、相手から先に情報を出させる交渉術を紹介しました。 これに対して、先に行動するほうが有利になる「先行者優位」(first-mover advantages)という現象もあります。 たとえば「よい立地」や「優れた人材」のように「希少」(scarce、まれで少ない)…

「二子玉川 蔦屋家電」さまで、拙著が今月もランキング上位です

(写真はいずれも、2023年3月の上旬です) 1年以上にわたり、拙著「今さらマーケティング」を大きく展示してくださっている「二子玉川 蔦屋家電」さま。 今月もランキング(マーケティング部門) の3位に入っています。 ありがとうございます。 こちらは「六…